エーデルワイスを君に4【HUNTER×HUNTER】 (ページ42)

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第185話ページ42

「目安はあの岩山

　着いたら今度は“絶“
　素早く戻ってくること」

いい感じに作戦が立てられた、と思った矢先のこと

「OK、二重尾行だな」

バﾁｨｨﾝｯ！！

「え？」

『．．．．．．は？』

乾いた音．．．というには少々激しめの音が辺りに響く
ゴンは状況がわからない、といった風だが、対してAはというと

『(今殴った？キルアを？誰が？こいつが？．．．は？)』

大事な大事なキルアが殴られたことにキレていた．．．

意味はあった
もちろん意味しかなかった
敵を騙すためには必要なことではあった

それはAもわかってはいた
しかし僅かに漏れる殺意を完全に隠せるほどAの心に余裕はなかった

「(何、この子のオーラ．．．っ)

　
　そんなにいうならいいわよ！
　もうやってらんないわ！バイバイ」

「あー！いけいけ！清々するよ！

　ほらゴン！A！行くぞ」

そこでやっと芝居だったと気づいたゴンは立ち上がることができたが、Aは動かない
光のない瞳で一足先に去っていったビスケの背中を見つめている

「A」

『．．．』

動かないAを呼ぶキルア

なぜ彼女が動かないのかわかっているからこそ、冷静に名を呼ぶ
静かに合わさった視線によって、Aが冷静さを取り戻し立ち上がる

トボトボと歩くAの手をとり、ずんずんと進んでいくキルア

『．．．ごめん』

謝罪の理由は明白だった
せっかく2人が上手くやった作戦を、台無しにしそうになったことへの謝罪

「いいって
　敵の野郎もあの流れなら変には思わないだろ

　それに、俺のために怒ったんだろ？」

『．．．』

キルアが優しくAの頭を撫でる
それによって気持ちの切り替えができたのだろう、Aの瞳に光が戻った

それを見てからキルアの表情も真剣なものに変わる

「すっげえよ、あの女」

「え？」

「俺警戒してたんだぜ？
　何があっても動けるように

　でもほっぺたがジンジンするまで何されたかも分かんなかった」

『最初に会った時から強いのはなんとなくわかってた
　でもさっきの見て確信したよ

　現時点じゃ
　あの人には勝てない』

「Aでも？」

『経験値が違いすぎる
　正直、勝てるイメージはあんまり湧かないなぁ』

「そっか．．．」

そんな話をしている間に、言われていた岩山に辿り着く

「急いで戻ろう」

「うん！」