第164話 ページ20
「ふぅ〜...危なかった...」
一方的に切った電話をポケットに直しながらヘルは額の汗を拭う
「にしても暑いな、ここ」
「勝手にきといて文句言ってんじゃねえよ」
「会いにきてやったんだろ?」
「頼んでねえよ」
ここは一体どこだろうか
巨大な火山を中心に海に浮かぶ島
島は火山から降る灰で視界が悪く、異常にに高い気温だ
恐竜のようなキリンのような、よくわからない生物の背中に乗るヘルが楽しげに口角をあげる
「でもまさかお前がAと知り合いだったとは思いもしなかったよ
ジン」
ツンツンボサボサの黒髪に無精髭
見覚えのある輝きを持った瞳
そう、彼こそがゴンの父親でありグリードアイランドを作った張本人、ジン=フリークスである
どうやらヘルとジンは知り合いらしい
「昔一回会っただけだ」
「知り合いに変わりはないだろ?
あいつのこと、よく知ってるくせに」
「...あいつを知ってるんじゃない
あいつの中に流れる血を知ってるだけだ」
「同じだろ?」
ジンは謎の生物の脱皮を手伝っているようで、硬い表皮を必死に剥がそうとしている
「お前いつまでいるつもりだ?」
「当分暇だからな
お前について行ってやるよ」
「いらねーよ!」
「何だよ嬉しくないのか?
昔みたいに修行つけてやろうか?」
「自分より弱い奴に修行つけてもらっても意味ないだろ」
「へー?言うようになったじゃん」
「餓鬼に負けるような奴じゃ俺の相手にならねー」
「餓鬼、ね」
「.....本気でやれば負けなかっただろ」
「どうだろうなぁ」
「...昔から変わんねーなーお前は」
「お前もな、クソ餓鬼」
彼らの関係は一体何なのだろうか?
負けなかった、とは?
ヘルの真の実力はまだまだ眠っていると言うことなのだろうか
謎は深まるばかりである
128人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年9月9日 19時