エーデルワイスを君に2【HUNTER×HUNTER】 (ページ19)

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第64話ページ19

そこからの日々はAにとってはまさに地獄のようだった。

キキョウの着せ替え人形にされたり、危うく食事に盛られた毒を食べそうになったり
ミルキのフィギュアを壊した罰として2日間徹夜でゲームに手伝わせられたり
ゼノに実力を測るためだとかの理由で奇襲をかけられたり
シルバにゾルディック家に嫁ぐなら、と仕事のやり方を叩き込まれたり

途中からは嫌になり、ゼノの奇襲以外は全て逃げ惑っていた
おかげで体力や俊敏性、危機察知能力は上がったようだが．．．

『もうやだ！！
　早く！今すぐ！ここから逃げよう！？』

「．．．ゴンが来るまで、と思ってたけど．．．」

目の前でしがみついてくるAを見たキルアはそろそろ行くか．．．と考えを改める

Aは毎日逃げ惑いながらも必ずキルアのいる独房に足を運んでいた。
そこでたわいもない話をしながら、癒しの時間をなんとか確保していたのだ。

「よし、なんとか出れるようにするからさ
　お前もすぐ出発できるように準備しとけよ」

『！
　うん！！』

まさかこの翌日に出れる事になるとは、Aは思ってもいなかっただろう。

るんるん気分で部屋に戻っていた道中、日常になったゼノからの奇襲を頭スレスレで避けたAの気分は一瞬でどん底に叩き落とされた。

『．．．もしかして私暗殺対象になってます？』

「バカ言え
　お前がターゲットならとっくに殺しとるわい」

『ですよねー．．．』

すると、突然ゼノが乾いた笑いをあげるAの首根っこ掴んだ。
え、何？という問いに答える事なく連れてこられたのは独房だった．．．

『．．．嫌だまだ死にたくない！！！！
　助けてキルア！！！！！！』

施錠された部屋の扉にへばりつき泣き叫ぶAの頭を殴ると
血で汚れた椅子に座れと言う。

『ころされる．．．』

「早よ座らんか

　安心せい血は乾いとるから汚れたりせん」

『何も心配できない』

しかしこれ以上駄々をこねると本当に息の根を止められそうなので、大人しく椅子に座る

その前に椅子を置き、足を組んで座ったゼノを怯えたような目で見るAに、ゼノは呆れたように息を吐いた。

「初日の威勢が見る影もないのう」

『ころされる．．．』

「．．．まあ、ええわい

　今日はお前さんに話しておかんといけんことがあってのう」

『？』