第６話 ページ8
クラピカside
私とレオリオに声を掛けてきたのは先ほどゴンが話しかけた少女だった。
どうやら２人とは別行動をしているらしい。
『別に隠すほどの理由じゃないからね』
「．．．」
そう言って彼女は話し出す。
『私、自分自身の事何も知らないの』
「！」
「そりゃどういう意味だ？」
『そのままの意味だよ
いつ、どこで産まれたのかも
両親も知らない』
「．．．名前は．．．」
私がそう聞くとゆっくりと目が合った。
「年齢だって、分かっているんじゃないのか？」
『．．．』
「．．．！」
その時、色素の薄い彼女の瞳が悲し気に揺らいだ気がした。
『名前は、私の事をAって呼ぶ子たちがいたんだ
年はね、実は知らない
物心ついた位からの大体の数を自分で適当に言ってるだけ』
「まじか．．．」
「その、君の名前を呼ぶ子、とは」
『私、森で生活してたんだよ
どこかの国のどこかの森
随分前にその森を出たから．．．もう覚えてないけどね
その森で色んな動物たちと暮らしてた』
「おいおい、まさか動物が名前を呼んでたとか言うんじゃねーだろーな？」
『そのまさかだよ、レオリオ』
その返答に声を上げて驚くレオリオ
『森の動物たちの長がね
私をAって呼んでたんだ
だからそう名乗ってる
でもこの名前は長がつけた名前じゃないんだって』
「．．．」
私もレオリオも、彼女の話に頭がついて行かず黙ってしまう
それがわかったのか彼女は私たちを交互に見て噴き出したように笑った
『あはは！
2人ともぽかんとしてる！』
「そりゃお前．．．そうなるに決まってるだろ．．．」
『ふふふ
そっか、そうだよね
でも嘘じゃないんだよ』
「それはわかっている
私もレオリオも、驚いただけで疑っているわけではない」
そう言うとレオリオも頷く
そんな私たちを見てAは一瞬目を見開くとすぐに笑みを浮かべる
「．．．」
どこか安心したような笑みが少し大人びていて綺麗だと思った
『そっか．．．2人は優しいね』
「君は．．．Aは、自分の生い立ちを調べるためにハンターに？」
『．．．
うーん、まあ．．．ざっくり言えばそうだね』
「？」
『私は．．．自分が何者なのか知りたいんだ
どうして、一体なんのために産まれてきたのか
この世界に私の居場所はあるのか
それが知りたくて、私はハンターを目指してる』
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとすごく嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2022年8月31日 0時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年2月11日 4時
