第13話 ページ15
『骨食べてるんだけど』
そう、目の目にいたのはバリバリと骨を貪る巨大な豚。
「まさか．．．肉食！？」
その声に反応したように大きく鳴き声を上げた豚に、一同は急いで立ち上がる。
「A！」
『お？』
ぼーっと豚を見ていたAを、クラピカは勢いのまま抱き抱え走り出す。
「っ！？」
『え、ちょ、クラピカ！？
私走れるよ！』
「悪いが今おろしている余裕はない！」
後ろから迫っている豚をクラピカの肩越しに確認したAは大人しくすることを選んだようだ。
その横でキルアがなんとも言えない表情を浮かべていたのに気づいたものは誰もいなかった。
そして、他の受験者がいるとこまできたことである程度豚の狙いは分かれたものの豚の勢いは止まらない。
クラピカに降ろしてもらったAはジッと豚を見つめる。
『．．．(なるほどあの豚の武器は発達した頑丈な鼻か)』
活気にも豚の観察を続けるAは、今も目の前で受験者を弾き飛ばす生き物に全く臆していないようだ。
そんな彼女に、後ろに立たせ守るように立つクラピカとキルアは気付かない。
そうこうしている間に、偶然にもゴンが豚の弱点を見つけたようだ。
「へぇー
あいつら額が弱点だったのか」
「巨大で硬い鼻はもろい額をガードするための進化、と言うわけだ」
その言葉に、他の受験者達は一斉に豚の額を攻め始めた。
キルア達もそれに続き、難なく豚を仕留めることに成功。
しかし．．．
「！A！！！
危ねえ！！！」
『！』
「「A！！」」
そんな彼らを見ていたAの後ろから、一際大きな豚が一直線に走ってきていた。
それを見たキルア達が急いで駆け寄ろうとする中、Aは慌てることもなく背後の豚に視線を送る。
『．．．』
白花色の瞳に
視線が絡んだ瞬間．．．
「「「！！？」」」
勢いよく走っていた豚が急ブレーキをかけたように立ち止まってしまった。
3人は何が起きたのかわからず、その場で立ち尽くす。
『．．．』
そんな彼らをよそに、Aはゆっくりと豚に歩み寄る。
豚は完全に萎縮し切っており、大きな体をブルブルと震わせていた。
『ごめんね』
するりと豚の鼻を撫でたAは目にも止まらぬ速さで額にかかと落としを喰らわせた。
案の定豚は鳴き声をあげ気絶してしまった。
『さ、戻ろっか！』
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとすごく嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2022年8月31日 0時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年2月11日 4時
