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side Yugo
「おつかれ〜」「おつかれ〜」
機材車に荷物を積み込んで歩き出す
俺は駐輪場に、他のメンバーは駅に
…そして決まって俺についてくるのがこいつ
桃「こーち乗せて〜」
黄「…またかよ」
そんな悪態をつきながらも
彼の分のヘルメットを用意して
2人乗りのバイクでここまで来た自分は
…矛盾だらけの、大馬鹿者で
大我にヘルメットを渡して
バイクを引きながら小さなライブハウスを出る
道に出てバイクに跨ると
当たり前のようにヘルメットを着けた大我も
俺の後ろに腰掛ける
黄「…いい？」
桃「ん、」
ぎゅ、と腰辺りの服が握られる
黄「………、」
ﾌﾞｫｫｫｫ…
エンジン音とともに公道に出る
腰元に甘いくすぐったさが走る
それだけでこの胸が高鳴ってしまう理由を
背中に感じる体温、それだけで
いつも以上に丁寧にハンドルを切ってしまう理由を
…否定し続けるのももう、限界だった
俺たちはただの売れないインディーズバンド
大我はそのギターボーカルで、俺はそのベース
ただ、それだけ
" 仕事仲間として "
人生を共にする覚悟をしただけ
目の前の信号が黄色から赤に変わって
後ろに乗ったソイツが怪我しないように
緩やかにブレーキをかける
湿度の高い ムワッとした暑さに
誰と行ったかも分からない
夏祭りの夜の記憶がふと蘇る
頭の中、流れているのは
つい1時間前に初めて人前で披露した新曲
…あいつの作った、ラブソング
これが誰のことを想って作られたのかなんて
考えただけで嫉妬で吐きそうになる自分は
どこまでも痛い、大人で
桃「…ねぇ、こーち」
黄「…はい？」
さっきまで小さなライブハウスを揺らしていた
その美しい声が
いま、俺の背中を揺らしていてー…
桃「やっぱなんでもない」
黄「なんだよ」
信号が、青に変わる
桃「こーち！」
黄「ん〜？」
ﾌﾞｫｫｫｫｫ………
" ……、………！"
黄「…ぁんだって〜？」
もぅ、と 大我が俺の背中を叩く
ライブの帰りはいつも、耳鳴りがうるさい
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
