5分後に恋する文豪。-論理主義な恋人たち・冬- 太宰治 ページ10
五月蝿い。
けたたましい目覚まし時計の音で目が覚めた。急いで止める。
私は起きるのが嫌いだ。
でも彼女が「早起きして」と言ってきて、
挙げ句には特大の目覚まし時計を買ってきたのだ(私のお金で)。
「んん……」
私の隣には誰も寝ていなかった。彼女はもう支度を済ませたのか。
起きてすぐに彼女の顔を見ることができないのは、少し残念だ。
目を擦り、欠伸をする。
私は寝室から出て、彼女のいる台所へ向かう。
「Aー?」
「……遅い」
すぐに返事がきた。
彼女は朝食を作り終わったところらしく、こたつの上に茶碗と汁椀、そして焼き鮭。
「いやあ、だってこんなに寒いのに起きないといけないなんて。」
「早起きは三文の徳、っておばあちゃんが言ってた」
そんな知識を出してこられると、少し困る。
まあ確かに、彼女の少し怒った顔を見るのは久々だ。これは早起きによる徳かもしれない。
「ご飯、入れる」
「じゃあ待っているよ」
こたつに入る。暖かかった。
※続きます
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Deco - 中也さんの五分後最高でした!私もこんなバレンタイン過ごして見たい…… (2018年12月16日 15時) (レス) id: 9c8b9058f8 (このIDを非表示/違反報告)
乱歩君大好き人間(プロフ) - 5分後シリーズ全巻持ってます(自慢) (2018年10月10日 22時) (レス) id: 890e7ee745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱寧 x他1人 | 作成日時:2018年8月19日 10時