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『な、な、、なんで…？』
驚きは声と言っていいのか、我が家のコネシマのようなもので私の脳に伝えられた。
ジジ臭い麻薬売りよりは巨体ではなかったが、私が跨がれそうな程の大きさの猫がいた。
へぇ、夢はなんとも不可思議なものを見せてくれるらしい。
それは眩しいばかりの黄金色の瞳を持ち、体檸檬色に所々朱色が混じった美しい体毛を持っていた。
目が痛くなりそうだし、これまた神聖なる雰囲気を持ち出し私を脅した。
首にかけられた網縄は喰い込む勢いで縛られていて、それにぶら下がる一つの鐘は何かを閉じ込めているかのように感じる。
六つに分かれた尻尾の先端は無雑作に切られており、痛々しさを放つ。
ジジ臭い麻薬売りに関心さえ持たない猫は、私を見つめたまま固まっている。
何かしただろうか、というか君も麻薬を買わされるよ。
同情とも言える感情に、シッシと去るように手を動かせば猫はピクリと動いた。
その前にジジイが私に詰め寄ってきた。
「相談なんてしなくていい、何でもわかるんだよ。君が辛いのはわかった。」
ジジイの台詞は本当に爺だ。
私が今辛いのは猫も巻き込んでいることなんだよ。
思わず心の中でツッコめば、笑いそうになってくる。
「これを飲めば辛いものもぉッ、！、、、ぅぎゃあ！？…」
あ、ジジイが急に態度を変えた。
そう簡単に思った。
その怒鳴り超えに私はハッと周りを見渡す。
ジジイが消えていたのだ。あの巨体が消えて気づかないほど視力は悪くない。
ど、どこだろう。
何かから逃げたのか、そういう事件が起きたのか。
台詞の途切れ具合に、危険ながらも拍子抜けをしてしまい、脳は妙に冷静に分析を始める。
すると、突如として視界にもふりとした毛並みがうつった。
それは鳴き声を発する。
そこで私はようやく広い視野を取り戻す。
『あぁ、主様…ずっと待っていました、、ちゃあんと守っていましたよ、それだけが生きがいでした…』
猫は私の前で謎に頭を垂れ、尻尾を嬉しそうに揺らす。
言葉もまるで私を敬うようなものだった。
猫が夢の中だとしても私に頭を下げる姿は見たくない。
知らないよりも知っておこうと、質問をした。
「、、ね、猫さんのはお名前は、？」
『俺、ですかっ？、よ、呼んでくださるのですか、俺の名を』
「は、はい」
思ってたよりもオーバーリアクション。
猫は声に合わせて口を開けた。
鋭利な歯がツラツラと並んで、唾液も滴っている。
『シャオロン…主様しか知らぬ名です、』
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