恋と笑いは紙一重２【芸人短編集】

実験 【ランパンプス 寺内】 ページ32

るまんどさんのリクエストです。





・


『先生…、もう帰ってもいいですか。』


寺内「ダーメ。お前昨日風邪で学校休んで実験やってないだろ。今回の実験内容は入試でも必ずと言っていい程出るところだからやって帰れよ。先生も手伝うから。」


『はーい。』





私は放課後の理科室で、机に肘をついてぶっきらぼうに理科担当の寺内先生が受験の準備をするのを見ていた。


あぁ、早く帰りたい……。早く帰ってモニ〇リング見たい……。←


そう思ってぼうっとしていると、寺内先生が私の頭を分厚い教科書の端っこで叩いた。





『痛っー!!!!!』


寺「アホ面してる暇あるならノート取れよー。」


『アホ面してませんしっ!!てか痛いです！(泣)』





私は渋々と寺内先生が説明する実験結果をノートに書き写す。何だよー、CO2とかNaHCO3とか分かんないよー。私がうんうん唸っていると、寺内先生が説明にやって来た。





寺「あのな、CO2は二酸化炭素だろ？二酸化炭素を石灰水と混ぜたらどうなる。」


『………人類が死ぬ？』←


寺「規模がデケェんだよ。」


『だってー!!分かんないんですよーっっ!!!』


寺「A、お前本気で第一志望受かる気あんの？」


『あります！だから教えて下さいよ!!!』


寺「教えても覚えないのは君でしょうが。」


『あー！もうっっ!!!』







私はバタバタと足を振る。すると、寺内先生は「うるさいなぁ」と呟いて、頭をボリボリかくと、私にその顔を近付けてきた。







・



段々と、近付いてきたその顔が離れていく。私は呆然として、先生の顔を見た。


今のは、これいかに…？





口元に残る、何とも言えない感触が残っていて、私は口をパクパクとさせた。目の前にいた寺内先生が、先に口を開く。







寺「今のは覚えなくていいからな。」







顔を真っ赤にして、先生はそう言うと、白衣を翻しながら再び黒板に実験結果の続きを書き始めた。





私はその後ろ姿に堪らなくて、机に突っ伏す。


無意識に、
ノートにシャーペンで書き込んだ。









実験結果
【先生、好きです。】

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