恋と笑いは紙一重【芸人短編集】

滑舌弄り 【三四郎 小宮】 ページ13

まなさんのリクエストです。




・



『浩くんって相変わらず滑舌悪いよね。』


小宮「今更その悪夢を掘り起こすんじゃにぇえよ。」


『本当の事言っただけだもーん。』


小「言っていい事と悪い事があるって小学校で習ったはずだよにゃ？」





私の発言に翻弄されてあたふたする浩くん。私の付き合っている人は、お笑い芸人三四郎の滑舌が悪い方である。そして何だよさっきの。「にゃ」とか可愛すぎだろ。







小「Aが俺のかちゅぜちゅを弄るからこんな事になっちまったんだよきっと！」


『あー！今人のせいにした！誰かのせいにするなら君を産んだお母さんのせいにしなさい。』


小「さらっと今人の母親にいちゃもん付けたぞお前！」






すると浩くんは肩を落とす。いきなりどうしたのかと思っていると浩くんは小さな声で呟いた。




小「お金も貯まってきたし、そろそろ本当にこのかちゅぜちゅ治そうかな……。」


『はぁ!?止めてよそんなの!!』






私は浩くんの肩を掴んで顔を上げさせる。浩くんは八の字に眉を下げて、私に虚ろな目を向けた。




『止めてよそんなの……私は、今の浩くんが好きなの。今の浩くんがいいの！』


小「A……。」


『あと治ったせいでお仕事減って収入無くなったら嫌でしょ!!!!』


小「ありがとうよ!!!!そっちの事まで気にかけてくれて!!!!」


『どういたしまして!!!!』


小「いや何だよこの会話！」




浩くんは相変わらずいつもの様につっこんでいる。まぁ、本当のこと、そのままの浩くんが一番好きなんだけどね。



私はその後も浩くんの滑舌弄りを繰り返して、最終的には二人でお腹を抱えて大笑いした。

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