恋と笑いは紙一重７【芸人短編集】

勘違い 【東京03 角田】 ページ16

. - さんのリクエストです。






・


角ちゃんは今確実に勘違いしている。
(かくかくうるさい)


私がさっき豊本さんと話していただけで、私がさっき飯塚さんにジュースを奢って貰っただけで。




角田｢お前俺のこともう嫌いなんだろ？｣





なんて真顔で聞いてくるもんだから。





『……は？』





私は全力の笑顔で聞き返してあげた。




角｢いやいやいや、何が｢……は？｣だよ。嫌いなら嫌いで正直に言えば良いだろ。｣


『待て待て待て、おかしいのは角ちゃんの方だから。私は角ちゃんのこと嫌いになってないし。ただ豊本さんと飯塚さんに良くして頂いただけで何も無いから。』


角｢隠しても無駄だからな。俺はお前のことを全部知っている。｣


『知らないから教えてあげてるんでしょうよ。』




相変わらずの角ちゃんにため息をつくばかり。嫉妬ばかりしている角ちゃんをせめることは出来ないが、あまりに嫉妬がしつこ過ぎる。そう、しつこい。




『…角ちゃんがそうやって言うくらいなら、私別れてもいいけど。』


角｢は？｣


『だって角ちゃん私がもう嫌いになったと思ってるんでしょ？それなら別に、別れてもいいよ。』


角｢いやいやいや…、待てよA。｣


『なに。』


角｢まだ、俺のこと好きなのか？｣


『好きよ。』



私がさらりと言いのけると、それに驚いたように角ちゃんは目を丸くして、すぐに安堵の表情に戻った。




角｢なんだよぉー！心配させやがってよぉ!!｣


『角ちゃんが勝手に心配してたんでしょ。』


角｢それでもAが俺のこと好きでいてくれたらいいんだよ!!!｣


『はいはい。』




すんなりと元気になった角ちゃんは、私の背中をばんばん叩く。


そろそろ勘違いは、ほどほどにして下さいね。

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