恋と笑いは紙一重６【芸人短編集】

誰よりも俺を 【アインシュタイン 河井】 ページ4

AIRIjinrさんのリクエストです。







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俺はペンを握って、ネタ帳とにらめっこを続ける。しばらくそうして１時間。未だに良いネタが浮かんでこうへん。無念なことに俺はペンを投げ出し、椅子に座って伸びをした。


肘をついた手で口元を覆い、ため息をつく。ちらりと横目で、ネタを考えている俺を差し置いて喋りたくっているヤツらを見た。






稲田｢そういや寝屋川駅近くに出来た新しいカレー屋知っとる？｣


秋山｢その店俺三日前行ったでー。なかなかやったよ。｣


『あ、ほなら後で寄ってみん？』


稲｢ええよ。｣


秋｢俺もっ。ゆずるも行く？｣


河井｢え？あー……おぉ。｣




いきなり声をかけられ、俺は曖昧な返事を返して行くことにした。再びアイツらは3人で会話を続ける。それを眺める俺の目線の先にいたのは、間違いなくAやった。



声を上げて笑って、稲田の背中を叩くA。そんな無邪気なお前に、今俺がなんて言っても笑い飛ばされて終わりやろうな。








でも、ホンマの気持ちやから。







誰よりも俺を、

君の一番に俺を選んでください。




俺はそのまま、
届かない想いを塞ぎ込むように



椅子にもたれて項垂れた自分の顔の上に
ネタ帳を広げてのせた。

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