83-特別じゃない ページ38
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自分の人生が特別だったとは思わない。
小さい頃から走ったり跳んだり活発な子だった反面、突然ボーッと空を眺めたりするちょっぴり不思議な子だった、と母が懐かしむ目で語った。小学校に入学してから両親が離婚した。今の時代、珍しいことではないけどやっぱり寂しかったのは強く覚えている。けど母が休みの日に一緒に出掛けたり料理をしたりするのは凄く楽しかった。
中学生になってから初めて彼氏ができたけど、友達に冷やかされるのが嫌すぎてすぐに別れてしまった。その分、部活に没頭した。
高校でも部活に熱中する日々だった。翔太と出会って、本当の恋を知った。翔太の存在が頑張る糧にもなったし、頑張れない時の支えにもなった。徐々に自分の将来を考えるようになって、その結果今の大学を選んだ。
大学に入学してから翔太とすれ違うようになり、別れてしまった。でも翔太の存在は私の人生に大きな影響を与えた。大学では興味のある分野を学ぶことができて楽しかった。就職活動をするようになり、人生を振り返ったり、今後を考える時間が増えた。希望業界が絞れ始め、さぁこれからという時だった。
余命宣告を受けた。
今後の人生設計が全て崩れ去った瞬間だった。自分の5年後、10年後、20年後を見据えてキャリアプランを立てていたのに、私が生きれるのはあと半年だった。
最初は実感が湧かなかった。「じゃあ就活やーめよ」くらいにしか思えなかった。もっと時間が経過したらその現実を受け止め、泣いてしまっていたかもしれない。けど、私は悟に出会った。
悟に一目惚れしてしまった。それは、余命宣告のショックが薄れるくらいの衝撃だった。きっとあの時悟に出会えたから、余命半年の事実に挫けずにいられたんだと思う。悟の存在が割れかけた心を繋いでくれたんだ。
悟に出会えたことが人生最期の奇跡だった。
「Aの就活が終わったら、考えてあげてもいーけど」
「俺は今を大事にしたい。今、こんなに近くにいるのに、隣にいるのに、Aを抱き締められないのは凄く寂しい」
「……Aといられるのは俺の人生だと一瞬なのかもしれない。でもきっと、一瞬が永遠になることもある」
「恋人じゃなくていい、友達じゃなくていい。何の肩書きもいらないから、ただ側に居させてくれ。それだけ言いに来た」
私の人生は何も特別だったわけじゃないけど、皆よりちょっぴり幸せなものだったんじゃないかな。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 大学生っっっっっっっ！今度は逆のナンパだ、、、、よっ！良い！！！！！！ (4月11日 15時) (
レス) @page50 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです！ (4月11日 13時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - これからもずっと応援してます！ (4月8日 1時) (レス) id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきです、、、、心の中で夢主ちゃんに喋りかけててほんとに大切な存在だったのがわかって泣きました、、、完結おめでとうございます！そしてすばらしい作品を創ってくださりありがとうございます！はむスターさんの書く作品全部大好きです！ (4月8日 1時) (レス) @page49 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - ......じんわりくる! (4月7日 21時) (レス) @page49 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年9月10日 20時
