69-止まらない時間 ページ24
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五条悟
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また不安が戻ってくる。Aが何か窮地に立たされていることだけは分かった。だから、このままじっとしていられるはずがなかった。
花火大会に行けない事実よりも、もっと深刻な何かがあると直感した。
「……A、今家か？」
「うん」
「今から家行く」
「えっ。でももう夜だし、また後日」
「行くから」
Aがまた何かを言いかけたのを遮って、通話を切る。ラインが何件か入っていたけど、読む時間すら惜しくて、最速で家に向かった。
扉横のインターホンを鳴らすと、Aの母親が出てきた。
「……悟くん」
「夜分にすみません。あの、Aさんは」
「少し待っててくれる？呼んできますね」
1度扉が閉まる。
次に扉が開くと、最後に会った時よりも少し痩せたAが顔を出した。
「悟、本当に来てくれたんだ」
「当たり前だろ」
「はは、ダメだなぁ。嬉しいや」
ずっと変わらないAの笑顔に、こんな時でも胸がきゅんとしてしまう。そうして自分を奮い立たせる。胸キュンする為にここに来たのではないと。
静かに、本題を切り出す。
「あのさ、花火大会行けないって」
「あー……うん。行けそうにないんだよね。申し訳ない」
「どうして」
困ったように眉を下げて目線を下げたAは、暫くすると「あれ」と何かを指差した。その指が示す方向を辿っていくと、靴箱に立て掛てかけている折り畳まれた車椅子があった。
「……この前、入院してからさ。あんまり長い時間歩けなくちゃって」
明るく取り繕おうとしているけど、感情が揺れてしまっている声だった。
心臓が止まった錯覚がした。目を背けていた、死の匂いが漂ってくる。もう逃げることは許されない。
「家の中をちょっと歩くとかなら平気なんだけど、歩き続けると足の力が入らなくなって、その内ガクンって力が抜けて立てなくなるの。だから今は、必要最低限しか出掛けてない。出掛ける時はお母さんに車椅子を押してもらってる」
ショックだった。
Aが立てなくなったことに対してじゃない。
Aがいない未来を想像してしまった自分が。
下手くそな笑顔で「だから、花火大会は行けない。約束してたのに、ごめんね」と言われて。
真っ白になる頭でも、これは俺の感情を優先していい場面じゃないと悟った。聞くべきなのはAの声だ。
「Aは花火大会行きたい？行きたくない？」
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 大学生っっっっっっっ！今度は逆のナンパだ、、、、よっ！良い！！！！！！ (4月11日 15時) (
レス) @page50 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです！ (4月11日 13時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - これからもずっと応援してます！ (4月8日 1時) (レス) id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきです、、、、心の中で夢主ちゃんに喋りかけててほんとに大切な存在だったのがわかって泣きました、、、完結おめでとうございます！そしてすばらしい作品を創ってくださりありがとうございます！はむスターさんの書く作品全部大好きです！ (4月8日 1時) (レス) @page49 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - ......じんわりくる! (4月7日 21時) (レス) @page49 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年9月10日 20時
