不誠実な五条くんに弄ばれたい！【五条悟】

3.告げ口 ページ4

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「私、1番好きなのアップルパイじゃないよ？」

「あ、いや、」

「……ま、いっか。で、一緒に行ってくれる？」

「行くよ。今度の休みな」





頭を撫でてて誤魔化された。一応浮気を隠そうとするつもりはあるらしい。


それっきり会話は終わってしまったが、雑誌を読むフリをしながらニヤケそうになる頬を隠すのが大変だった。





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夕飯の後、五条くんはしっかり任務に行ってしまった。今日は課題もなく好きに過ごせる貴重な日なので、五条以外の同期3人で共有スペースに集まってお菓子パーティーを開催する。


夕飯を食べた後だけど不思議とお菓子を食べる手が止まらない。早速1袋目のポテチが終わりそうだ。まあ、あと2袋あるんだけどね。





「そういえばAは、悟とうまくいってる？」





脈略も無く夏油くんに恋バナを振られ、心底意外に思った。夏油くんって親友の恋愛事情とか気になる感じなのかな？


あんまりそんなイメージはないけどな、とポテチを食べつつ「うん」と答える。硝子が隣で「よく言うわ」と笑っているが構わず続ける。





「今度遊びに行く約束したんだー」

「そっか……」

「……夏油くん？」





夏油くんの表情が曇る。私を可哀想に思って同情している目だ。どうしてそんな顔をするのか分からず、きょとんと首を傾げてみせる。夏油くんは小さく口を開く。





「Aは悟のこと好きなんだよね？」

「うん、(そのうち捨てられたいくらい)好き」

「だよね……」





私のカッコの中の心情を推し測ったのか、硝子が隣で軽くコーラを噴き出した。笑うなと視線を送りながら、ハンカチを渡した。


夏油くんは私の返答に悩ましげにこめかみ辺りを抑えている。


私、変な返事はしてないよね？普通の彼女っぽい返事できたと思うんだけど……。




少しの間俯いて黙り込んでいた夏油くんがやがて顔を上げる。その顔には強い覚悟が浮かんでいる。何を、言われるのだろう。全く検討がつかず、ごくりと唾を飲み込む。


「言おうか言わまいか悩んだけど、友達としてきちんと伝えることにするよ」と前置きをして言った。





「単刀直入に言うね。悟、浮気してるよ」






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