18.知らない方がいいこともある ページ19
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ヤバい。
つい反射的に五条くんを突き飛ばしてしまった。
私の大事なファーストキスは守られた代わりに、五条くんには不信感を与えてしまったかもしれない。だって恋人との触れ合いを拒絶するって流石に無いよなあ。
自分が相当な人でなしだと(今更)自覚する。まあ、五条くんも浮気してたしお互い様、か……?
とりあえず明日はお弁当を作って五条くんに酷いことをしてしまったことを謝ろう。それで許してもらえなくて別れ話をされるなら結果オーライではあるし。
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*
*
翌朝。早めに起きてお弁当を作り、早めに教室に到着する。まだ誰もいないだろう。そんな確信を持って扉を開けたのに、既に着席している姿があった。
「……はよ」
「あ、おはよう。五条くん」
普段は微妙な遅刻をかましてくる五条くんが何故今日は早いのか。疑問は抱きつつも、「今日、お弁当作ったからよかったら……」とお弁当を差し出せば、五条くんは呆気に取られたように瞬きを繰り返し、おそるおそるお弁当を受け取った。
そしてお弁当を大事そうに抱えると、俯いてはぁぁっと大きな溜息を吐く。それは嫌悪や呆れというよりは、安堵の色を表していた。
え、なに……?
顔を上げた五条くんは柔らかく笑った。
「よかった、……昨日のあれで、嫌われたかと思った」
「あ、えと、昨日はごめんなさい……」
「いや。俺が悪かったし。こっちこそごめん。あと、弁当ありがとな」
……なんだろう、本当にこの人は五条くんか?
そんな疑惑が生まれる程、彼の反応は予想外なものだった。怒ってるかな、プライド傷つけちゃったかな、とは思っていたけど、まさか嫌われたかどうかの心配をしているとは思わなかったんだ。
だって、他人にどう思われようがどうでもよさそうな五条くんが、こんなにも______。
「俺、ちゃんと待つから。Aがそういうことしたいって思ってくれるまで、何もしないから」
「…」
「だから、その。なんつーか、…………怖がらないでいてくれると嬉しい、デス……」
五条くんの右手が微かに震えながら、私の服の袖を掴む。まるでどこにも行かないでと縋り付いているみたいに。
五条くんがあまりにも必死な顔をするものだから、
「うん……」
五条くんとそういうことしたいと思える日は来ないかなと言ってあげることは、残念ながらできなかった。
秘密だけど、私のタイプは高専内でいうと七海くんである。
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19.やばい小さい柔らかい可愛い好き→←17.ごめん、でも流石に
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ちゃむ - コメント失礼します!この作品を見た後不誠実な五条さんが好きな私と誠実な五条さん好きの私が喧嘩してました!wこれ五条さん目線のこの物語が見てみたいです!もし良ければ書いて頂けませんか?! (2月7日 22時) (レス) @page39 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 雪菜さん» 最後までお読みくださりありがとうございました!!😭きっと五条は夢主に誠実さを見せつける為に行動を改めていくんだと思います、!最後には手に入れる気満々ですからね笑 こちらこそ更新不定期な今作をお読みくださってありがとうございました…! (1月1日 23時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - わー!!!完結おめでとうございます!!!この先の激重五条も見たいですが想像で楽しみます😌こんな神作を連載してくれてありがとうございました!!本当に見てて面白かったです😭🙏💞 (12月31日 22時) (レス) @page39 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!!! (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - dearさん» 夢主を気に入っていただけてとても嬉しいです!☺️でも五条さんは自分と夢主で一緒に幸せになりたいと思ってるかもしれませんね、!笑 (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむスター | 作成日時:2022年3月26日 21時