38-伝えたいこと ページ38
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今日1日で色々なことがあった。……本当に、色々なことが。
肝試し終わりに探し物をしていたら道に迷うし怪我はするし、
誰よりも早く私のことを見つけてくれた玲王にはまた振られてしまうし、
……凪くんは私のことを好きかもしれないし。
そんな1日を振り返りながらぐるぐる悩んで無理に眠りにつけば、翌朝起きた時には頭が痛くて体が怠くて仕方がなかった。
ピピピ、と無機質な音が鳴って脇に挟んでいた体温計を取り出す。
『38.7℃』
……間宮A、勉強合宿2日目は発熱で自室待機となりました。
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自室でダウンしていた私はひたすら眠っていた。逆に熱のおかげで余計なことは考えないでいられた。深く考えようとすると頭に鈍い痛みが走るし。
昼食を真凜が持ってきてくれたけど、食欲が湧かなくてほとんど残ってしまった。真凜は休憩時間の度に私の様子を見にきてくれて、布団をかけ直したり、タオルで汗を拭いたりしてくれた。彼女には本当に感謝しかない。
そうして先生から貰った薬も飲んだおかげか、夜になれば平熱まで戻っていた。
なんだかお腹も空いてきたので真凜が持ってきてくれた夕飯を薄暗い部屋の中で食べる。ちなみに今はレクの時間で皆は外にいる。きっと手持ち花火を楽しんでいることだろう。本当は私が仕切らないといけなかったけど……。まあ、学級委員長がなんとかしてくれているかな。
丁度ご飯を食べ終わった頃、コンコンと扉をノックする音が響いた。オートロックなので真凜とか同じ部屋の子達ならカードをかざして入れるはずだ。
でも入ってこないということは、先生とかかな？
「はーい」と返事をしつつ、立ち上がる。足の痛みも大分引いていた。扉を開ければ、そこにいたのは。
「A、熱どう？」
凪くんだった。昨日の今日で少し気まずさを感じつつ、「……うん、いっぱい寝たからもう平気」とできるだけ平静を装って答える。凪くんはホッとした表情で「よかった」と呟く。
「足は？」
「足ももう、痛みは引いたよ」
「そっか……」
流れる一瞬の沈黙。
彼は静かに切り出す。
「俺さ、Aに伝えたいことがあるんだ」
「なーに？」
「でも、その前に。ちょっと来て」
「え、ちょ、」
腕を引かれて廊下に連れ出されると、大きな窓の前で止まる。
「そろそろかな」彼がそう言った瞬間。
「わぁ……！」
真っ赤な打ち上げ花火が、夜空に咲いた。
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はむスター(プロフ) - 茶々さん» 初コメありがとうございます！ブーゲンビリアの花言葉、気づいてくださった方がいて嬉しいです😭 (2023年2月10日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 初コメ失礼します！ブーゲンビリアの花言葉でもうしんどいです、、。好みど直球な作品で一気読みでした！ (2023年2月3日 22時) (レス) id: 2bcc5ab034 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 莉紅-リク-さん» お待たせいたしました！続編でもお会いできること楽しみにしています！☺️ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - おりかさん» ありがとうございます！続編でもよろしくお願いします☺︎ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
莉紅-リク-(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！続編待ってます！！ (2023年1月20日 8時) (レス) @page50 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2022年12月28日 17時
