126-もうとっくに ページ28
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「______ねえ、なにしてんの」
一触即発のような声が横から飛び込んできた瞬間、体がびくりと震えて目を開ける。
「んぇっ！？」視界が広がったと同時に鈴木くんの顔が目の前にあって思わず叫ぶ。鈴木くんは私から離れると顔を横に向けて「凪……」と呟いた。私も彼の視線を辿ってみればそこには真剣な顔つきをした凪くんがいて。
なんでここにいるの。
首に手を当てながら「今のって合意？」と鈴木くんを問い詰める。鈴木くんは何も言い返さない。
「悪いけど、間宮のことなら諦めて。君が入り込む隙なんて一切ないから」
「…」
「まだ黙り？ほらもっと離れて」
「わかった、わかったから」
鈴木くんは「こっえ〜」と怖くなさそうに呟きながら更に私から距離を取る。
状況が飲み込めず置いてけぼりになっているのは私だけだろうか。
今度は凪くんの瞳がこちらを捉えて、絡まった視線にドキリと胸が高鳴る。その視線は鈴木くんに向けていた鋭さは無いけれど、必死さは今までで1番伝わってきて。
「間宮。俺さ、色々考えすぎてたみたい。らしくないよね」
「凪くん……？」
「でももうさ、ごちゃごちゃ考えるのはやめた。そーいうの全部面倒くさくなっちゃった」
鈴木くんは、フッと穏やかな笑みを浮かべると頭の後ろで手を組んでこの場から立ち去って行った。
もう凪くんしか目に入らない。
彼の真剣な表情が、声が、匂いが、身体に刻まれていく。
「ごめん、もう周りの目とかどーでもいい。そういうの気にして自分の気持ちを殺したくない。もし変な噂流されても俺が守るから」
彼の色白な頬に朱色の線が走る。
「間宮が好きだ」
たった一言で瞬時に世界が生まれ変わっていく。
一瞬の間に彼が発した言葉を頭の中で何度も何度も反芻し、ようやく理解まで辿り着く。
聞き間違いじゃないよね？
凪くんが私のことを、好きだって。
数秒前までとは比べ物にならないくらい輝いて見える視界が、みるみるうちに歪んでいく。
「お願いだから
堪えきれなかった雫が一筋、右目から床に吸い込まれるように落ちる。
「俺のこと好きになってよ」
それを皮切りに次々と溢れる涙。
凪くんの片手を取り、頬に当てて擦り寄る。
彼のことでいっぱいで何も考えられない中、心からの笑顔で答える。
「もうとっくに、大好きだよ」
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
