視線 ページ48
宿舎に戻り、シャワーを浴びて急ぎで食堂へと向かうA。
A「もう皆集まってるよね」
手首にヘアゴムをつけて半乾きの髪をなびかせながら廊下を走る。
吹雪と自主練をしていたAは他のメンバー達よりも遅れて食堂に姿を現した。
そこには既に風丸と軽く会話をしながら食事を取る吹雪の姿があった。
はやく自分も席につこうと、レーンに並びに行くA。
お味噌汁をよそっていたつくしの横を通りすぎれば、つくしがいきなり大声を上げた。
つくし「あぁー!Aちゃんが髪の毛下ろしてる!」
と、作業をやめ興味津々にAに迫っていくつくし。
おかげで食事をとっていた者の視線は一斉にAの方へと向けられる。
ご飯をよそっていた杏奈も手を止めて物珍しそうにじっとAを見る。
杏奈「なんだか新鮮ね」
つくし「うんうん!すっごくかわいい!ね、杏奈ちゃん!」
杏奈「そうね」
髪を下ろしていただけでこんなにも誉められるものだから、Aは差恥に絶えられず頬をほんのり赤くした。
A「っ…そ、そんな事より!ほら、皆お味噌汁よそって貰うの待ってますよ?」
そういってAに興味津々なつくしと杏奈を持ち場に戻らせるA。
ご飯にお味噌汁におかず、全て受け取り終えたAは、辺りをぐるっと見渡すが、どこに座ろうかと非常に悩んだ。
何故なら、さっきの事が原因でどのテーブルにも未だに珍しそうにAをみている者がいるからだ。
どこも座りにくいため、Aは誰も周りに座っていない席に着いた。
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作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時