息切れの訳 ページ41
そんな野坂の様子の変化に気づかないAはベンチで吹雪と会話を弾ませていた。
A「え…!吹雪さん弟がいたんですか?」
吹雪「うん。1つ下のね。アツヤって言うんだ」
A「そうなんですね!じゃあアツヤ君も吹雪さんに似て優しい性格なんですか?」
吹雪「うーん、アツヤは僕と正反対だよ」
A「正反対?」
吹雪「アツヤはヤンチャな性格でね。誰これ構わずあたりがキツいんだけどサッカーの実力もあるし、根はすごくいい子なんだよ」
こんなこと、アツヤが聞いたら怒るだろうね。と代表入りしてからしばらく会えてない実の弟の顔を思い浮かべて優しく微笑む吹雪。
A「へぇ…じゃあもしかしたらアツヤ君も、追加補充メンバーに選らばれ…っ!?」
いきなり手首に力が加わり、勢いよく振り返るA。
そこには呼吸を酷く乱した幼馴染みの姿が。
A「ど、どうしたの?」
A(呼吸が乱れてる?…それに頬も少し赤いような)
まさか。と嫌な考えが脳に伝わる。
A「監督!悠馬が気分悪そうなので部屋までおくってきます!」
監督「おやおやそれは大変ですね。どうぞごゆっくり〜」
ぐっと野坂の手を引いて監督にそう告げたAと野坂は合宿所に消えていった。
消えて行くAの背中を吹雪は名残おし気に見つめていた。
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作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時