逃がさない ページ42
Aは未だにぼーっとする野坂の手を引いて一番距離の近かった自室に入れる。
A「悠馬、大丈夫?」
野坂「…ん」
A(やっぱりあの薬だ…)
まだ意識がハッキリしていない野坂をベッドまで引きずり、横にさせるA。
A「とりあえず何か冷たい飲み物持ってくるから待ってて」
と、冷蔵庫に向かっていく
はずだったのだが
Aは野坂にぐっと腕を捕まれ、進むことが許されなかった。
A「もう。何?どうした…!?」
腕を強く引かれたことにより体が重力に逆らえずそのままベッドに倒れるA。
ベッドに仰向けに寝ていた野坂に覆い被さっている形だ。
A(ちっ…!近い…//)
目の前には頬を染めた野坂の顔。
体もぴったりと密着しており、ユニフォーム越しに温もりも感じられる。
すぐにでも離れよう。と野坂の胸板をぐいぐい押し退けるAだが、背中に両腕を回されているため不可能である。
野坂「この体制…僕からしたら不利だね」
A「不利とかそういう問題じゃないでしょ!とにかく離して!」
野坂「僕も限界なんだ」
A「何よ限界って……!?」
次の瞬間
ぐるりと見ていた景色が一転する。
気つけばAの目には真っ白な天井が映し出された。
野坂は戸惑うAを見下ろし、ベッドの上で両膝を立て、両手をAの顔の横におく。
野坂「逃がさないよ…」
そういって皇帝は不敵に微笑んだ。
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作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時