【甘】愛され注意報【野坂悠馬】 (ページ20)

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プレカページ20

あの後は本当に散々だった。

ドッと押し寄せたメンバー達に質問攻めされたAは死んだ魚のような目をしふらつきながら、部屋へと向かいユニフォームを手に取る。

いつものようにジャージを脱いでハンガーに掛け、ユニフォームに着替える。

………ちなみに我ながら似合っている方だとは思っている。

ユニフォームに着替え終えたAは手帳型ケースのスマホを取り出して、開いた際にあるカードを入れるようなポケットに指をそっと忍ばせ、ある一枚のプレカを取り出す。

A「やっぱかっこいいなあ…王子様みたい…」

とうっとり見つめるAの視線の先には吹雪士郎のプレイヤーズカード。略してプレカ。

これをみれば一瞬で嫌な事が吹き飛んでいく、いわばAにとっての魔法のカード。

そしてAにとっては超必須アイテムだ。

えへへと一人デレデレしているとコンコンとドアをノックする音と、可愛らしい声が響く。

つくし「Aちゃん？先にいってるよー？」

ビクッと体を大袈裟にはねらせたAは慌ててプレカをポケットに戻して返事を返す。

Aが吹雪のプレカを持ってるなんて誰もしらない。

A「は、はい！」

一方ドアの向こうのつくしはAの慌てようぶりに首をかしげるが何事もなかったかのように駈け足でグラウンドへと向かった。

A「もうちょっと眺めてたいけど…遅れちゃいそうだな」

と、スマホを机の上に置いて部屋を後にした。