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上杉side
立花は俺らが黙るのを待って、口を開いた。
「川崎くんは1週間前、告白してくれて、私が川崎くんのことをよく知らないからもっと知ってから返事をして欲しいって言われたの。それで今、一緒に帰ってみて川崎くんがどんな人なのか知ろうとしているの。」
それを聞いて俺らは顔を強ばらせながらヒソヒソと話し始める。
「...なんか川崎ってやつ、相当アーヤに惚れてそうじゃね?」
「ん。わざわざ1週間かけて自分のことを知ってもらってから返事貰いたいなんて中々だよ。」
「相当自信あんだろうな。」
その声が聞こえていたのか、立花がはぁ。っと溜息をついた。
若武がダンっとテーブルに手をつき、立花の方に身を乗り出す。
「それで!?アーヤ、そいつのこと断るよな!?」
その瞬間、俺らは立花の方を向いて真剣な瞳で見つめる。
立花は、何故か少し視線を外しながら頷く。
「...うん。断るつもり。」
思わずみんなで安堵の息をついた。
でも、美門と黒木は立花に目を向けたまま。
...どしたんだ?
疑問に思っていると黒木が口を開く。
「...アーヤ、どうしたの?元気ないね?」
その質問を聞いて、またみんなで立花の方を向く。
...ん。確かに元気なくね?
「どしたの?アーヤ。」
「気分、悪いのか?」
俺らの問いかけに立花は首を横に振る。
「...私、川崎くんのこと、好きなんだ。」
その瞬間、俺らはハッと息を呑み、俯いた。
黒木だけが、立花に優しく、でも少し哀しそうに微笑みかけてくる。
「アーヤは、川崎と付き合いたいんだね?」
その言葉に俺は覚悟を決める。
...ついに立花にも彼氏が出来んのか。
...祝福、出来るかな...。
胸が苦しくなっていると、立花はその言葉にキョトンとする。
「いや、違うけど...。」
立花の言った言葉に俺らは勢いよく顔を上げて唖然とする。
「...はっ!?」
思わず、すっとぼけた声をみんなであげる。
黒木でさえ、驚いた表情をしている。
すると、余程俺らの顔が間抜けだったのか、俺らの顔をこんなにした当の本人がクスクスと笑い出す。
俺らは顔を見合わせる。
「...おい、笑うなよ。」
「そうだよ。一体どういう意味なの、アーヤ。」
「ん。好きなのに付き合いたくないとはどういうこと?」
...マジ意味わかんねぇ。
なんなんだよ。
そう思いながら立花を見つめているとキョトンと首を傾げながら口を開いた。
「だって私、友達として川崎くんのことが好きだけど、恋愛としてではないもの。」
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セダム - Kokone♪さん» はい、勿論です!私もいつか書いてみたいと思ってたんです(*´∀`*)ありがとうございます! (2018年10月7日 16時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - もしも3を書くんでしたら、悠飛と砂原に出会いも書いてくれますでしょうか? (2018年10月6日 11時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» いえ、次は、一旦他のものを書こうと考えています!最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年10月3日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 〜3〜も書かれるのですか?書かれるのならば、凄く楽しみです! (2018年10月2日 22時) (レス) id: 808e94c518 (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2018年9月14日 21時