第弐話 我は官軍 ページ16
「朝倉さん、便利屋、みたいなの興味ある?」
ん?
一拍遅れて理解をした。
色々する感じの?掃除とか?ん??
「それはどのような仕事内容なんだい」
「えー色々!掃除や配達、探偵業が一番多かったり。後は悪者やっつける的な!?」
「それ警備員?」
「いえ、この仕事は”危険人物がいる場所”を守るんです。門番のように不審者が見えたら戦うのではない。不審者をこちらから潰しにいく」
「それは警吏の仕事だろう」
「警察は民間人には手を出せないから」
「此方も駄目だろう」
「”通常”ならですが、警察が怪しいと踏んだ人物の監視等を行い、何かあったら警察に許可を取り、捕縛する」
「それは貴社が特別なのだと」
「うん、全国にも数少ない集団だし」
私刑。何となくそれに近い。
然し、そんなもの、探偵や警察じゃ駄目なのか。
「警察も抱えきれないほどの闇がまだ沢山ありますからね。情報収集は探偵屋に手伝って貰ったりしてるんすよ」
心読んだ!?
「どうですか?」
確かに魅力のある仕事ではなかろうか。
他人を守る仕事。中々の美徳だ。
だが、国の為に出来れば働きたい。多少の貢献はできるだろうが、それならば警官になった方が早くはないだろうか。
「朝倉さん」
彼はそう言って、僕の耳元に近づいて囁く。
「政府公認ですから、事実上官民ですよ」
「やります」
即答だった。他人も救えてお国の為に貢献できる職、こんなもの国会議員じゃできないだろうし、警官位しか思いつかぬ。国を守るなら陸軍等でも可能だろうけど。
「朝倉さんならやってくれると思いましたよ!事務所に付いてきてください!!」
「是非お願いしたいです」
こんなに意気揚々としたのは久しぶりだ。
友人等に会えたら自慢してやろう。特に彼___誰だ?
まぁ良い職に在り付けたではないか。喜ばしい事この上ない。山本君に感謝。
「どうかした?」
「いやなんでもないよ」
「行きますか」
_______
____
「そういえば、朝倉さんってどんな職業つかれてたんすか?」
店に出て何処ぞの事務所に向かう時だった。
彼は不意に僕に尋ねてきた。
「教師だよ、小説も少し書いてた」
「へぇ〜、成程。中学っすか?高校っすか?」
「中学だよ、君みたいな子が沢山居たよ」
「へぇー、小説は何か出版したんすか?」
「大した事無いけどね」
「今度紹介して下さい!」
「恥ずかしいなぁ」
特に初期の方なんて人様に出せない。
どうか埋めておいてくれ。
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アリてる.冷花(プロフ) - すにすなさん» コメント有難うございます!私も覚えてますよ!!本当に嬉しいです頑張ります! (4月3日 11時) (レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
すにすな(プロフ) - 昔Riruriという名前でコメしたものです。このお話ずっと大好きです。これからも楽しみにしています! (4月3日 11時) (レス) @page20 id: b675f659fc (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - さくさくパンケーキさん» コメント有難うございます。本当ですか!?とても嬉しい限りです。更新頑張ります! (2022年3月10日 17時) (レス) @page7 id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
さくさくパンケーキ(プロフ) - とっっっても面白いです!占ツクの中で一番です!!更新楽しみにしてます! (2022年3月10日 16時) (レス) @page7 id: c7ea56a150 (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - ひろぽにうむさん» コメント有難うございます。更新頑張ります! (2022年3月10日 16時) (レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリてる.冷花 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wuashyt8942/
作成日時:2022年3月8日 17時