ep.199 確信的証拠 ページ46
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自分はギュッと目を瞑る。
「見るな！見ちゃダメだ。目の前のこいつはワニなんかじゃない。やっぱりフロイドだ！」
「小エビちゃん？どうしたの？目を開けて！ソイツに連れていかれちゃうよ！」
「黙れ！！お前はフロイドじゃない！フロイドの声を真似してるだけだろ！」
「！！小エビちゃん、どうして……。」
自分は馬鹿だ。
幻覚が怖くて、逃げだせる方に意思が揺らいでいた。
少し考えればわかったのに。
「自分は、階段を登り始めてから今まで、一度もフロイドの手を離していない。なのに、違う奴と手を繋いでいたなんてありえないだろ。」
「それは……っ、小エビちゃんに気付かれないように上手くすり替えられたわけで……。」
「違う！わかるもん！見た目や感覚を支配されかけて気付かなかったけど、魔物になろうとワニになろうと、この温もりはフロイドの手の温もりだもん！」
「……っ。」
「だからお前は消えろ！！もう喋るな！！自分を惑わせないで！！」
「……チッ。」
舌打ちが聞こえると、少しずつ嫌な気配が消えていく。
もうあの声真似してくる奴は消えたのだろうか……そう思っていると、すぐ近くからフロイドの声が聞こえてきた。
「小エビちゃん！！」
「うわぁ！！今度はこんな近くで喋るのか！いい加減黙れよ！！」
「あ゛！？オマエ……ホンモノの区別もつかなくなったわけ！？絞めるぞ！！」
「ヒッ……リアルな発言……怖い。」
「いいから目ェ開けろよ！」
自分は恐る恐る目を開ける。
すると、目の前にいたワニは消えていて、少し不機嫌な表情をしたフロイドが目に映った。
「あれ……フロイド……っ？」
「ハァ……やっとオレのこと認識した。小エビちゃんず〜っと魔物だのワニだの叫んで、手離そうとしてくんだもん。ちょー焦った。」
「え……幻覚、消えたの……？」
「オレには一つも見えてないから知らないけど、消えたんじゃねェの？もう出口近いし。つかオレのニセモノに助け求めてんなよ。ムカついたんだけど。」
「ふ……っ。」
「あ？」
「フロイドぉぉぉぉ！！！」
「なっ！！？？」
自分は手を繋いだまま、フロイドに抱きついた。
「怖かったぁぁ！！よかった！！本物のフロイドだぁぁぁ！！！」
「ちょ……小エビちゃん……小エビ！落ち着けって！」
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
