ep.190 先走る意志 ページ37
・
自分は映画館を飛び出した。
「A！待ってよ！どこに行く気だい？」
「見てたでしょ！みんなが自分を必要としてる！偶然にも、シャドウを止められる自分の存在に気付いてくれたんだよ！」
「意気込むのはいいけど、君はここから出られないんだって！結局出るためのヒントは何も得られなかったし。」
「だからって黙ってこれ以上見てられるか！なんか動く飛行機とかないの！？」
「ないよ！あっても、ただ空を飛んでいけばここから出られるってわけでもないし。」
「嘘！？ずーっと上行けば出られるわけじゃないの！？」
「そんな単純じゃないよ。多分だけど、シャドウはこの世界に空間の穴みたいなのを開けて君を放り込んだんだ。」
「穴……？」
「そう。だからそこからしか出られないし、それはきっともう塞がってる。シャドウが開けない限り、君は出られないんだよ。」
自分はレイピアを強く握りしめる。
「どうすれば……考えろ、考えろ……っ。」
「A。そもそもだけど、君は出られたとして本当にシャドウを止められるのかい？」
「は……っ？」
「フックの意志を受け継いで止める気でいるのはいいんだけど、ああなってしまったグリムに対して、何か勝算はあるの？」
「そ、れは……。」
自分の頬を冷や汗がつたう。
「それに気付いてるかい？グリムはシャドウと完全に同化してしまってることに。」
「え……？」
「今までのオーバーブロットした人達を思い出してごらんよ。先輩達の後ろに、大きな怪物がいたろ？」
「うん……。」
「あれはオーバーブロットした先輩達の影だ。心の影。それが具現化した姿があの怪物なんだ。」
「！！グリムは、背後にあの怪物がいない！？」
「うん。というか、グリムはあの怪物そのものなんだよ。影に呑まれちゃってる。」
「だからシャドウと同化してるって……。」
「この意味がわかるかい？」
「？」
「君はシャドウに勝つ方法を見つけたとして、グリムごと殺さなきゃいけないというわけさ。」
「！！？？」
自分は思わず唾を飲む。
「シャドウに呑まれてしまっている以上、今までみたいに正気に戻すなんてことは不可能だ。やるならグリムごと、あいつを殺すしかない。」
「グリムを……殺す……。」
「そんなこと、君にできるの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
