ep.162 因縁の相手 ページ18
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自分は歩き続けた。
立ち止まってても何も状況は変わらない。
何か、何かここを出るヒントを見つけなくては……。
「出口……どこかに出口は……。」
近くの建物のショーウィンドウを見つけ、手を触れる。
「…………クソ。やっぱその辺の鏡じゃ出口にはならんか……。」
霞んだショーウィンドウに、場違いのように色付いた自分が映る。
どうしたものかとそこを見つめていると、突然黒い影が映り込んだ。
「！！」
驚いて背後を振り返ると、そこには見覚えのある姿をした影が立っていた。
「え……あ……お前は……っ！？」
「やあ、A。君からしたら初めまして……かな？僕のことは知ってるかい？」
「ぴ……ピーターパン！！？？」
自分は思わず後ずさると、持っていたレイピアを構える。
「な、ななな何の用！？何でここに！？何でそんな真っ黒な姿に！？」
「おっと！ちょっと落ち着いてくれよ。その様子だと僕のことは詳しく知ってるみたいだね。まずはゆっくり話をしないかい？」
「嫌だ！今ここで質問に答えろ！お前とゆっくり話すことなんてない！お父さん達からお前がどんな奴だったかは教えてもらってるんだ！
自分をどうする気だ！？」
「あーもう！落ち着いてって！それも踏まえて話をしよう。僕は君に伝えたいことがたくさんあるんだ。どうか聞いてくれないかい？」
「……っ。」
「それにほら、今の君はわずかな情報だって欲しいはずだ。僕と話してみる価値はあると思うけど？」
「なっ……！………………うぅ……たし…かに。……わかったよ。」
ピーターパンの言うことに一理あると感じた自分は、レイピアを下ろすと彼に向かい合った。
「……お前の話を聞くよ。真っ黒ピーターパン。」
「ありがとA。それにしても真っ黒ピーターパンかぁ……長いな。普通にピーターでいいよ！」
「え……わかった。」
なんか、危険な存在なはずなのにちょっと調子狂うな……。
ピーターはとりあえずどこかに腰掛けよう、と自分をベンチのある公園に案内した。
モノクロで面白味もない噴水を見ながら、彼は口を開く。
「まず、僕は君やフック達に謝らなきゃいけないね。あの時はごめんよ。」
「えっ？」
自分は思いがけない彼の言葉に目を丸くする。
一体どういう心境の変化なのだろうか……？
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
