ep.161 落下 ページ17
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自分は鏡へ近付いた。
「そんなに手招きして……何か緊急事態なの？」
するとミッキーは頷く。
そうなんだ……。
もしかしたら喋れないのも何か原因があるのかもしれない。
「わかった。今そっち行くね。」
自分は鏡へと手を伸ばした。
手が鏡に触れると、波紋のようなものが広がりそのまま体ごと吸い込まれていく。
「うわああああぁぁぁぁ！！？？」
中に入ると足をつく場所がなく、自分は抗う間もなく暗い空間へと落ちだした。
思わず鏡の入口を見ると、そこにミッキーの影ではないものが映る。
「あれは…………………………グリムの影！？」
鏡に映っていたのは間違いなくグリムの影だった。
「どういうこと……！？ミッキーは！？てか何でグリムが！？さっきまで寝てたはずだよな……！？」
そう考えている間にも、自分の体はどんどん落ちていく。
まさか、騙された……？
・
・
どれくらい落ちたかわからない。
随分と長い間落ち続けていたせいで、途中で目を瞑ってしまったようだ。
気がつくと自分は、モノクロのサビれた世界で倒れていた。
「…………ん……ここは……？」
辺りを見渡すも、どこもかしこも白黒で、まるで影絵の世界に迷い込んでしまったかのようだった。
自分は何かを掴んでいることに気付く。
「あ……レイピア。持ってきちゃった。」
モノクロの世界の中で自分の肌色の手と赤いレイピアが目に映り、逆に違和感を感じだす。
「何だここ……。とりあえず、誰かいないの……？」
自分は状況を理解するため歩きだした。
通行人の1人でも見つかればここがどこかを聞けるのだが、全く人の気配がしない。
「これ、もしかして自分以外誰もいないんじゃ……。」
自分で言ってゾッとする。
もしそうだとしたら、これから先どうなるのだろう。
「冗談じゃない！絶対に元の場所に帰る方法を見つけなきゃ！」
自分は走ると、空に向かって叫びだす。
「トリップミラー！！ここが貴方の中の世界なら、ここから出してー！！トリップミラー！！聞こえてるー！？」
しかし、返事もなければ特に状況の変化もなく、自分は絶望する。
「待ってよ……嫌だ……。こんなの無理……。誰か……助けて……。」
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
