ep.157 死に場所 ページ13
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その日の夜、自分は久しぶりに夢を見た。
ネバーランドとは違う海……恐らくメインランドの海の上を、お父さんは1人、船に乗って進んでいた。
「…………クソッ。」
「うっわあ〜、酷い怪我。痛そ〜。」
「あ……？誰だ。」
「あれ？我の声が聞こえるの？へ〜！珍しい！おじさん何者ー？」
「誰だ……。どこにいる……。」
「ここここ、ここだよ。」
すると突然、フックの目の前に小さな妖精が現れる。
「やあ、こんにちは。我は海の妖精だよ！」
「何だ、妖精か。邪魔だ。お喋りなら他を当たってくれ。」
「なんだよ冷たいなぁ〜。おじさん何をそんなに急いでるの？」
「何だっていいだろ。オマエには関係のないことだ。」
「あるよ〜。だってここ、我の海だもん。おじさんこの海で死のうとしてるなら、我に理由くらい聞かせてくれてもよくない？」
「……なぜ死のうとしてるとわかった。」
「あははっ、わかるよ！そんな酷い怪我じゃそう長くないもん。どこかでじっとしてた方が楽なのに、わざわざこんな所来るなんて〜。
死に場所でも選んでんのかと思うじゃん。」
「……そうか。その通りだよ。俺は死に場所を探している。愛した女の元で死にたいんだ。」
「愛した女？え〜誰誰？こんな所にいるのは人魚のモンスターくらいだけど。」
「……。」
「あぁ、そうか。おじさん、セーレを探していたんだね。いや、今はセイレーンか。」
「……知ってるのか。」
「もちろん！だって我は鏡の番人……トリップミラーの番人だよ。彼女は我の目の前でバケモノへと変わったんだ。」
「何だと……！？オマエが……！？」
「でもおじさん、セーレがバケモノになったこと知ってたの？セーレは最初、自分と赤ん坊の2人で異世界へ行こうとしてたのに。
そう言ったのはおじさんなんでしょ？」
「……セーレから聞いたのか。」
「うん。」
「……そうだな。俺は最初知らなかった。異世界へ飛ぶのに大量の魔力が必要だなんて。後から知った時には遅かったよ。
そん時には既に、セイレーンの噂が立ち始めた頃だったからな。」
「へー、それでよくわかったね。セイレーンの正体が彼女だって。」
「わかるさ。俺は一度会いに行ったんだ。セイレーンに。」
「！」
「嵐に巻き込まれる前にすぐに逃げたがな。あの歌は間違いなくセーレのものだった。」
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
