With you -YF-

君とのカンケイ 2 ページ3

.

F



結局その後まっすぐ帰る気にもなれなくてマネージャーの申し出を断ってタクシーに乗り込んだ。



どこ行こうかな…




こんな時、渉以外一緒に居たい相手も居るわけなくて仕方なく1人で買い物に行くことにした。
平日の夕方と言う事もあって行きつけのルームウェアが豊富に揃ったショップは仕事帰りの女性で賑わっていてバレたらどうしようと思いつつも店内に足を踏み入れた。




あ、これ…渉に着て欲しいな…


手触りのいい素材のボーダー柄のルームウェアを見つけて思わず手に取る。




散々迷った挙句、結局色違いで2枚買って少し軽い足取りで帰路に着いた。
渉喜んでくれるかなぁ〜なんて考えながら再びタクシーに乗り込んでマンションに戻ってスマホを取り出して渉に報告する。


『わたが好きそうなルームウェアがあったからオソロで2枚買っちゃった♪』

そうメッセージを送ってから身に付けていたアクセサリーを外し着替えを済ませてリビングに戻ってスマホを確認すると渉からの返信が来ていた。

「ふふっ」
思わず笑みを漏らしながらメッセージを開くとそこには…

《そんなのいいから早く休みなさい》



渉は嬉しくないの？

せっかく浮上した気持ちが一気に沈んでいく。




やっぱり想いが通じたと思ってたのはオレだけだったんだ…



胸が締め付けられるように苦しくなってスマホを握り締めてそのままソファーにコロンと横になる。


「コホッ…」


なんだか胸だけじゃなく全身ダルくて息苦しい



こんな時には渉にそばにいて欲しい
けど、そんなわがまま言ったらきっと面倒くさいヤツだと思われちゃう








暖房が効いているハズの室内が急に寒く感じた








ねぇ…渉

そばに来て温めてよ



言えない言葉をグッと胸の奥に押し込んだ。




.

君とのカンケイ 3→←君とのカンケイ 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す