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F
【その時】は思いのほか早くやって来た。
前の仕事が早めに終わってどっかで時間潰しても良かったんだけど、そんな気分にもなれなくて集合時間よりだいぶ前に辿り着いた充てがわれた控え室の扉をガチャっと開けた。
「……お、はよ」
誰も居ないだろうと思っていたのに部屋の奥のソファに見覚えのある1つの人影が見えて慌てて挨拶をした。
オレの声にビクッと震えた人影
ゆっくりと顔を上げた時それが1つじゃない事に気付いた
え…
「しーっ…」
口元に立てられた綺麗な人差し指に無意識に目が奪われる。
「やっと寝たからさ…」
囁くように言った渉の肩に寄りかかっているニカの寝顔があった。
そして掛けられたブランケットから出ているニカの手が渉に繋がれていた。
「あ、…うん」
なるべく平静を装ったつもりなのに口をついて出た声は少し上ずってしまった。
これ以上動揺しているのがバレてしまわないように渉たちに背中を向ける位置にあった椅子を静かに引き出して座ってポケットから取り出したスマホの画面を必要もないのにスクロールした。
そのポジションは今までずっとオレのだったのに…
『わた〜眠いから肩貸して?』
『ったく…仕方ねぇな』
って…
でもあんな風に手を繋いでくれる事は一度も無かった
こうなる前は渉にとってオレは他のメンバーと違って特別な存在のかもって思った事もあったけど、それは都合のいい勘違いだったんだって突き付けられた気分
結局いつも独りよがりだったんだ
オレのキモチなんて全然伝わって無かったんだ
って…元々気づかれないようにしてたんだから作戦成功じゃん
なんて…
今は強がるだけで精一杯
「ハハッ…」
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緒直(プロフ) - 完結お疲れ様でした!と、おめでとうございます。短編の時から大好きな作品で毎回更新を楽しみにしておりました!すれ違い続ける2人の感情に涙する事もありましたが最後には笑顔で幸せそうな彼らになって私も幸せな気持ちです!素敵なお話をありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 8f38dfd30e (このIDを非表示/違反報告)
みつる(プロフ) - 完結おめでとうございますvお疲れ様でしたvvタイトルが示す通りの距離、隔たり…すごく切なくかなり太輔さんに感情移入して読んでた作品です♪渉さんの所へちゃんと思いが届いて身の心も包まれて良かったねv太ちゃん♪凄く素敵なお話ありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 14851cd1e7 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - すみません。こちらにもフォロー申請は来ていたのですが、まだフォロー許可待ちになっています。もう一度ご確認いただいてよろしいですか? (2016年9月12日 17時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
you☆彡(プロフ) - 北斗さん» 今承認させて頂きましたのでご確認くださいませm(_ _)m (2016年9月12日 16時) (レス) id: d9bdb00312 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - フォロリクしたのが外れていたみたいで、再び申請させていただきました! (2016年9月12日 15時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you | 作成日時:2015年9月6日 16時