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F
「…や…藤ヶ谷…!」
自分の事を呼ぶ声に意識がフッと浮上した。
「あ…きた、やま…」
「水…飲むか?」
多分北山が運んでくれたんだろう自販機コーナーの横にあるベンチに横たえていた身体を起き上がらせるとよく冷えたペットボトルが差し出された。
蓋の開いていない冷たいペットボトル
渉は「内蔵冷やすのは良くないんだって〜」とか言いながら常温のペットボトルの蓋を開けて差し出してくれたな…なんてその時のはにかんだ笑顔と一緒に思い出して北山から受け取ったそれをそっと傍らに置いた。
渉がそうやってオレのやって欲しいことを先回りしてさりげなくやっててくれた…でももう2度とそんなことしてもらえないんだって気付いたら胸がギュッと締め付けられた。
「なぁ…俺が言ってやろうか?」
「…何を?」
「よこーさん、に…」
「だから、何をだよ!もう手遅れなんだよ!」
こんなの完璧に八つ当たりだって自分でも分かってる
でも止められなかった
「最低だって言われたよ。もう2度と親友ヅラすんなってさ…」
自ら放った自虐に右手に握ったままだったブレスをさらにきつく握りしめた。
「……このままでいいのか?」
「いいも何も…」
「厳しい事言うけどさ、ちゃんと気持ち伝えなかったお前が悪いんじゃね?」
そんな事、北山に言われなくても分かってる
卑怯な手で渉を手に入れようとしたオレが一番悪いんだって
「お前らがどうなろうが関係ねぇって言いたいところだけどさ、お前もよこーさんも大事な仲間だからほっとけないんだわ。嫌かもしんねぇけど口出させてもらうよ?」
「え…」
「良い結果になるかは自信ねぇけどちょっと俺に任せてみてくんない?」
「北山…」
「だってもう自分たちじゃどうする事も出来ねぇんだろ?これからの事もあるし…悪いけど直接よこーさんに話しさせてもらうわ」
拒否権は無かった
これがオレに科せられた罰なんだ
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緒直(プロフ) - 完結お疲れ様でした!と、おめでとうございます。短編の時から大好きな作品で毎回更新を楽しみにしておりました!すれ違い続ける2人の感情に涙する事もありましたが最後には笑顔で幸せそうな彼らになって私も幸せな気持ちです!素敵なお話をありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 8f38dfd30e (このIDを非表示/違反報告)
みつる(プロフ) - 完結おめでとうございますvお疲れ様でしたvvタイトルが示す通りの距離、隔たり…すごく切なくかなり太輔さんに感情移入して読んでた作品です♪渉さんの所へちゃんと思いが届いて身の心も包まれて良かったねv太ちゃん♪凄く素敵なお話ありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 14851cd1e7 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - すみません。こちらにもフォロー申請は来ていたのですが、まだフォロー許可待ちになっています。もう一度ご確認いただいてよろしいですか? (2016年9月12日 17時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
you☆彡(プロフ) - 北斗さん» 今承認させて頂きましたのでご確認くださいませm(_ _)m (2016年9月12日 16時) (レス) id: d9bdb00312 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - フォロリクしたのが外れていたみたいで、再び申請させていただきました! (2016年9月12日 15時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:you | 作成日時:2015年9月6日 16時