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F


「何?」

「ごめんね、すぐ終わるから」

こっち…って言いながら同じく帰り支度を済ませた渉の後を付いて廊下を歩く。



「ここでいっかな…」

辿り着いたひと気のない休憩コーナー
自販機のモーター音だけが響いていた。


「あ、ごめんね。これ、太輔に返そうと思って」
向かい合って立っている渉のポケットから出てきたのはあの時ニカにあげたと思っていたレザーのブレス。
突然のコトに反応出来ずにいると「はい」ってさらに突き出される。

「な、…んで?」
口から出たのはそんな愚問。
確かにオレがプレゼントしたものだし、優しい渉はオレとのお揃いだからって捨てるのは躊躇われたんだろう。


早く受け取ってこの場から逃げ出さなきゃ…


そう頭は考えてるのに身体が言うコトをきいてくれない。


「だって嫌でしょ?いつまでも俺が持ってたら」

「え?」

「太輔の恋人だって嫌だと思うよ?いつまでもセ○レが自分の恋人とおソロのモノ持ってたら」

恋人?

セ○レ?


渉の口から出てくる単語の意味が理解出来ない


「セ…○レ…?」

「あれ?セ○レ以下だった?(笑)あーそっかぁ俺なんかじゃ今をときめくアイドルのお相手には役不足かぁ〜」

あはは〜なんてヘラヘラ笑ってる

オレの気持ち
全然伝わって無かったんだ
そんなコトするようなヤツだって思われてたんだ

哀しくて
悔しくて

気付いた時には渉の頬を思いっきり叩いていた。


「いってぇ…」

「オレがっ…オレが、どんな気持ちでわたに抱かれてたと思ってんの?」

「はぁ?何言ってんの?お前からけしかけて来たことじゃん。なんで俺が殴られなきゃいけねぇんだよ!」


渉がキレるのは当たり前だ

でもたった3文字の言葉で自分の想いを片付けられたコトの哀しみの方が勝っていて自然と涙が溢れて来た。



「あーもう面倒くせぇな…ちゃんと返そうと思った俺がバカだったわ」

泣いているのを気付かれたくなくて顔を背けた視線の端にクルッと背中を向けて近くにあったゴミ箱にブレスをポンと投げ入れる渉が見えた。

「あ…っ」

「チッ…」

コントロールの良い渉には珍しく的が外れてブレスが床に落ちた。




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緒直(プロフ) - 完結お疲れ様でした!と、おめでとうございます。短編の時から大好きな作品で毎回更新を楽しみにしておりました!すれ違い続ける2人の感情に涙する事もありましたが最後には笑顔で幸せそうな彼らになって私も幸せな気持ちです!素敵なお話をありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 8f38dfd30e (このIDを非表示/違反報告)
みつる(プロフ) - 完結おめでとうございますvお疲れ様でしたvvタイトルが示す通りの距離、隔たり…すごく切なくかなり太輔さんに感情移入して読んでた作品です♪渉さんの所へちゃんと思いが届いて身の心も包まれて良かったねv太ちゃん♪凄く素敵なお話ありがとうございました♪ (2016年9月13日 0時) (レス) id: 14851cd1e7 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - すみません。こちらにもフォロー申請は来ていたのですが、まだフォロー許可待ちになっています。もう一度ご確認いただいてよろしいですか? (2016年9月12日 17時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)
you☆彡(プロフ) - 北斗さん» 今承認させて頂きましたのでご確認くださいませm(_ _)m (2016年9月12日 16時) (レス) id: d9bdb00312 (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - フォロリクしたのが外れていたみたいで、再び申請させていただきました! (2016年9月12日 15時) (レス) id: b35bb13645 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:you | 作成日時:2015年9月6日 16時

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