Distance -YF-

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F



何だろう

最近キミとの間になんか壁を感じる





ツアーの初日が無事に終わって夕食をみんなで済ませて宿泊先のホテルに戻った。
昔のように2人部屋だったらこのあとの時間キミのことを独占出来るのに、今はそれすら叶わない。
ホテルの廊下をみんなのあとに続いて歩く足が自然と遅くなっていく。


「あ、俺こっちだから〜お疲れ〜」

ヒラヒラと手を振って角を曲がろうとするキミの背中
引き止めたい気持ちがつのって思わず名前を呼べば「ん？」って立ち止まってる振り返ってくれた。


「あ…、わたの部屋行ってもいい？」

「今、から？」



今一瞬困った顔したよね



それに気づかないほど鈍感じゃない



「ごめん、早く寝たいよね。おやすみっ！」




面倒くさいって思われちゃったかな

ごめん、面倒くさいヤツで…








沈んだ気持ちのままダッシュで自分の部屋のロックを解除して中に逃げ込んだ



ねぇオレのことウザいって思ってんでしょ？
だったらハッキリそう言ってよ


靴を脱ぎ捨ててベッドに倒れこむと頬にヒヤッとしたシーツが当たった。




キミのぬくもりをいつも近くで感じたいのに…

もうそれすら叶わないの？




最後にもう一度でいいから抱きしめてくれないかな




それでウザいって思われたら…

嫌われちゃったら…









でも結末が決まってるなら


もうどうなってもいい








『わた、話がある。部屋来て？』







さっきとは矛盾したメッセージ


震える指で送信ボタンを押した。



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