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「どうしても教えてくれないかな?」
レムレスはあのしょぼんの顔文字を彷彿とさせる顔で言った。
別に教えても大丈夫。何も問題は無い。
それにレムレスにはぷよぷよ勝負を教えて貰ったし悪い人じゃないと分かる。
でもやっぱり綺麗事を言われるような気がする…
それがとても不安だった。
「お前、元の世界に戻らなくていいのか?元いた世界はぷよがなかったんだろう?飛ばされることなど知らないはずだ。心配するかもしれないぞ?」
"心配"
シェゾが放ったこの言葉によって私の中にあった何かが壊れた。
「……勝手なこと…」
「え?」
「勝手なこと言わないでよ!シェゾは私の何を知ってるの?心配?誰がそんなことっ!……いいよ、教えてあげるよ、ここに来る前のこと。私はね、落ちたの。マンションの屋上から落ちたの。それも自分からね」
やめなきゃ、こんなきつい言い方するつもりじゃあなかったのに、違う、違う違う違う!駄目だよA、もっと落ち着いて、冷静になって!気持ちの行くまま話しちゃ駄目だよ!
そう思ってもなかなか上手くいかない。
「そして目を閉じて痛みを待っていたらここに来ていたって言う訳。これで満足?」
言いたくないのに、きつい言い方で結局最後まで話してしまった。
すると私とシェゾのやり取りを黙って見ていたレムレスが口を開いた。
「……A。僕は君が何を思ってそういうことをしたのかは知らないけどね。でもこうして出会えたことを嬉しく思うよ。それに少なくとも僕は君が消えてしまったら悲しいな」
「…レムレスも、綺麗事?」
「いや、本心だよ。君の瞳を最初に見た時一生忘れないって思ったんだ。忘れたくないって言った方が正しいかなぁ?」
何を言っているのだろう、この人は。
だけど不思議と心が落ち着いてきた。さっきまでの感情は去って冷静になっていくのを感じた。
「忘れたくない、ね…。でもそんなこと思われたところで私が死なないという保証は出来ないよ。それにそんなこと言われたって私の決心は揺らがない。」
…今までこんな風に忘れたくないとか言われることはなかった。
正直、結構嬉しかった。
でも、こんなことでは私の心は揺らがない。
所詮は赤の他人。知ったこっちゃない。
…本来なら出会わなかったんだし。
そう思っているとレムレスがぽつりと
「ねぇ、A。僕は君の光にはなれないかなぁ?」
と言った。
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Napia(プロフ) - …なんか大変そうだあ夢主… (2022年8月18日 17時) (レス) @page15 id: e1e9c8e78d (このIDを非表示/違反報告)
光璃(プロフ) - ねむねむにゃんこ太郎さん» コメントありがとうございます!天才は天才でも天災ですよ() (2022年8月1日 22時) (レス) id: 60b5f7069d (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむにゃんこ太郎 - 天才!!はい天才!ぷよぷよの小説書いてる人探してましたありがとうもう最高!!!!結婚して (2022年8月1日 15時) (レス) id: 8a27fed9d5 (このIDを非表示/違反報告)
Napia(プロフ) - お前…っっ、生き別れの兄妹なのかっ…!? 思わず笑ってしまった(笑)(((時々コメントしますがレスめんどくさかったらしなくていいです。))) (2022年7月25日 15時) (レス) @page10 id: e1e9c8e78d (このIDを非表示/違反報告)
光璃(プロフ) - Napiaさん» コメント・評価ありがとうございます!レムシェいいですよねッッ 亀更新ですが頑張ります!! (2022年7月20日 17時) (レス) id: 42e9661842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光璃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ninnjinnpo1/
作成日時:2022年7月7日 10時