悪くない日 ページ8
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「茜お姉さんとAお姉さん。俺が1人でいるところを助けてくれたんだ」
「そうだったのか…。すんませんでした、弟が世話になって…」
「大丈夫だよ！ねっ、Aちゃん」
「うん。気にしなくていい」
別に見返りを求めて行動した訳でもない。言ってしまえばただの自己満足のようなものだ。嬉しそうに笑う葉末君の目の前でしゃがみ、先程離してしまった手をまた頭に乗せる。
「会えるって言っただろう？」
「…はいっ！」
「もうはぐれちゃダメだよ？またお兄ちゃんやお母さんが心配しちゃうからね？」
「はい！ありがとうございました！」
「迷惑かけてすんませんでした」
もし自分に弟がいたらこんな感じなのだろうか。少し、優しい気持ちだ。
「謝るより、お礼を言われた方が嬉しいな！」
「え…？」
「あまり葉末君を責めないでくれ。さっきすごく反省していたから」
「…うす。ありがとうございました…」
彼は葉末君より無口なのだろう。でも、彼と一緒でとても素直な子のようだ。彼からのお礼の言葉を聞いて、私と村木さんは目を合わせて笑みを浮かべた。
*
その後、葉末君と薫兄さんと別れ、私達も神奈川へ帰る事にした。当初の時間より少し遅くなってしまったが、電車の本数はまだあるので問題はない。
「良い事した後って気持ち良いね−」
「自己満足だけどね」
「それでもだよ！葉末君も薫君も喜んでたし、こっちも幸せな気分になったよ」
「…それなら、良かった」
駅のホームでそんな事を話しながら電車を待つ。会話に区切りがついたところで村木さんが携帯を取り出して、届いていたメールを確認し始めた。プラプラとお揃いで買ったストラップが揺れ、夕日に照らされてキラキラ光っていた。
「綺麗…」
「え？」
「ストラップ」
「あ、うん！ちょうど夕日が反射してるからかな？」
それを見て、私も自分の携帯を取り出す。こちらも夕日に照らされて光っているが、村木さんのストラップのような色ではない。色違いだから当たり前だが。
「なんか、」
「？」
「Aちゃんのが青で、私のがオレンジ。空みたいだよね」
「空…」
「うん！青空と夕焼け空みたいじゃない？」
言われてみれば、と思った。あまりに恥じらいなくそう言うもんだから、言われたこっちが恥ずかしくなった。そんな例え、中々口に出して言わないだろう。ほんと、こういうところも人に好かれる理由なんだろうな。
「そうだね」
(いろいろあったけど)
(たまには悪くない)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
