兄弟 ページ7
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「そっかー。葉末君のお兄ちゃんは葉末君の2つ上なんだねー」
「はい！すごくかっこ良くて、優しいんです！」
「葉末君はお兄ちゃんの事が大好きなんだね！」
交番まで行く事を葉末君にも話し、葉末君の右側に村木さん、左側に私が並んで駅の方向へと向かった。村木さんの明るい雰囲気もあって、葉末君も徐々に心を開いてくれた。私はというと、2人の会話を保護者のような気持ちで眺めている。この2人すごく微笑ましくてずっと見ていられる。
話を聞くとお母さんとお兄さん(私達の1つ下のようだ)と買い物に来て、スポーツショップに行く途中ではぐれてしまったらしい。自分がちゃんとついて行かなかったからと反省している葉末君を慰めるのに私も村木さんも必死だったのはもう数分前の話だ。
「そういえば、Aちゃんは兄弟とかいるの？」
「私？いないよ。一人っ子」
「あ、そうなんだ。なんとなく上がいると思ったんだけどな−」
「残念、はずれ」
「茜お姉さんは？」
「うちは弟が1人。ちょうど葉末君と同じくらいかな？すっごーく生意気なの！」
楽しそうに話す村木さんを見て、隣の葉末君にも笑顔が浮かんだ。うん、子どもは笑っている方がいい。それにしても、兄弟か。今更欲しいとは思わないが、家族が多いのは少し羨ましい。
「あははっ！…2人に薫兄さん、会わせたいなぁ…」
なんとなくだが、葉末君の顔が笑っているのに寂しそうに写った。現状を思い出して不安になったのだろう。そりゃ小学生だ、そう簡単に気持ちの切り替えが出来るものか。右手に持っていた荷物を全部左手に持ち直し、無理矢理空けた手で葉末君の頭を撫でた。おぉ、サラサラな黒髪だ。
「…？Aお姉さん？」
「…会えるさ。だから安心しな」
「…っ、はいっ！」
「葉末！！！」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、葉末君とよく似た少年がこちらに向かって走ってきた。きっと彼が言っていた薫兄さんだろう。汗だくで走ってきて、葉末君の腕を勢いよく掴んだ。その勢いで葉末君の頭に乗せていた私の手と、葉末君と繋いでいた村木さんの手は離れた。彼はそんなのもお構いなしだ。多分、私達の事が見えていない。
「薫兄さん！！」
「お前、どこ行ってたんだ！心配したんだぞ！」
「ごめんなさい…」
「母さんも心配してる。帰るぞ、…？その人達は？」
必死だったから視界に入らなかったのか、薫兄さんはやっと私達の存在に気付いた。
(つーか)
(兄弟ってこんなに容姿似るもん？)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
