移動しましょう ページ14
「これ…なんだ？」
「これも君の故郷にはないのか。」
まだ一緒に過ごしてる時間は短いが、彼のこの反応に慣れてきてしまった。次に彼が驚いている物は車だった。普段私しか乗らない普通車は、助手席にブランケットや仕事のエプロン、外出時に気分で履き替える靴等が置いてあった。急いでそれらを片付けに取り掛かる。
「これは車。ここでは長距離を移動する時に大体の人が使っている。」
「馬はいらないのか？どうやって動く？」
「馬はいらない。詳しい動力については…説明が難しいな。」
早速悩んでいた事が現実に起きてしまった。やはり文化の違いはかなりあるようで、移動手段に馬という選択肢が出ている時点で違いは明らかだ。彼の場合、馬に跨ってるイメージが出てこないからきっと馬車に乗る事が主流なんだろう。適当に車の説明をし、彼を車の助手席に乗せる。私も運転席へ乗り込み、自分と彼のシートベルトを着けた。少し苦しいのか、彼の顔が若干歪んでいた。エンジンをかけると、音に驚いたのか、彼の肩がビクッと跳ねた。
「なっ…んだ今の音？」
「さっき言った車のエンジンをかけた音だよ。さて、これから車が沢山通ってる通りに行ってお店がたくさん入ってる大きな建物に行く。今は私と君だけだから驚いたりしてもいいけど、向こうに着いたらむやみやたらに驚かない事と、私から絶対離れない事を約束してくれ。いいな？」
「子ども扱いするな…。」
「なら、約束守れるね？じゃ、行くよー。」
車を走らせると、メア君はいろんな物に興味を示した。信号機、横断歩道、自転車、バイク…。私も博識ではないから、質問に対して100％の答えを返してはいないが、メア君の興味はどんどん移り変わり、意外にも車中の会話は絶えなかった。新しい事を知りながら目を輝かせる彼を見てると微笑ましい気持ちになっていった。
＊
「な……んだ、ここ…」
「さっき言ってたお店がたくさん入ってる大きな建物。」
「デカすぎだろ…。それに、くるまがたくさんある…。全部誰かが乗ってきたのか？」
「そうだよー。ここにはパッと数えきれない程の人がいるんだよー。」
「…おい、ちょっとめんどくさくなってきてるだろ。」
「そんな事ないよー。うん、全然。」
無事近くのショッピングモールに着いたが、お察しの通り滅茶苦茶疲れました。
(これからが本番だ)
(保ってくれよ私の気力)
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渡邊(プロフ) - 黒狐コハクさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…！応援ありがとうございます！ネタが尽きたらリクエスト募集も考えてますのでお気軽にどうぞ(´ｰ｀*) (2017年10月13日 20時) (
レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - ((MOE.moena))さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…！応援ありがとうございます！不定期更新にはなってしまいますが、どうぞ見てやって下さい(´ｰ｀*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐コハク(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2017年7月24日 15時) (レス) id: 5ba6ab7e8b (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 面白すぎます！！更新楽しみにしてます！！ (2017年7月21日 18時) (レス) id: 96d33f0c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2017年1月13日 17時
