【56】 ページ26
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「せんせっ…！」
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お願い・・・・
助けて…
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腕を掴んでいる男は私の叫びを無視してずんずん歩いてく
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◇「どこに先生がいるわけ(笑)？」
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向こうにいるよ…
今あなたたちが向かってる方にだよ…
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あなたたちには見えないの？
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たしかに距離は遠いけど、私の目にははっきり映ってるの…
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どんどん先生に近づく…
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智「ねぇ」
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◇「あ"？」
すれ違う前に男を引き留めた
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◆「もしかして、コイツがセンセーか(笑)？そうだろっ!!」
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…そんな風に笑わないでよ
ほんとは先生を困らせたくないのに
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あなたたちのせいで…
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智「ん−、ソイツ俺のもんなんだけど」
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◇「は？」
智「だから返してね」
そう言って肩を力ずくで抱き寄せる
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そのままの力で肩を抱いて歩き出すからそこが少し痛い
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智「早く家帰ろっか」
◇「ちっ…、」
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案外、素直に引き下がってくれてホッとした
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「せんせ//？ありがとう…ございました…」
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智「ん、早く家行こう」
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それが家に着くまでの最後の会話となって沈黙の中で自宅に到着した
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作者名：茎わかめ
| 作成日時：2012年6月30日 20時
