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心当たりがなさ過ぎて困る。
謝罪もしたし、手を貸したのに受け取ってもらえなかったのに謝れだなんて理不尽だろう。
白い色のクロスタイのメイドは嫌悪の籠った瞳を揺らす。
「やっぱり噂通りの傲慢な女！平民のくせに貴族にちやほやされて調子乗ってんじゃないの？」
『ちやほやとは？それより、先程から随分好き勝手に吹聴して回っておりますが
私の日常の態度と謝罪のこと、何の関係があるのです？
そもそも、貴女は転んでしまった方の知り合いというだけでぶつかったことには何一つ関係がないでしょう。まるで被害者のように振る舞って、事実無根なことを言いふらす。
傲慢なのは、貴女の方ではないですか？』
「なっ！なんですって！」
なんだか既視感のある光景だな、と興奮気味に肩を震わせる少女を見ながら思う。
しかし、生憎ここは侍女棟の食堂前。君主様の登場はありえないだろう。
一歩、彼女に向かって歩みを進める。私を睨みつけるメイドとの距離が縮まる。
『お答えいただきましょうか。私が何に対して謝罪を述べればよろしいかを。』
「うっ、」
眉間に皺を寄せる彼女は私から視線を逸らす。
逃がさない。そう頭に浮かべて顔を覗き込んだ。
『言えませんか？』
いよいよメイドは口を噤んでしまった。
丁度、朝を告げる鐘が空に鳴り響く。仕方ないからここら辺で解放してあげるか。
顔を離して2歩後退する。呆気にとられるメイド二人へ向かって微笑を張り付ける。
『あ、時間ですね。では私はこれで』
二人へ背を向けて歩き出す。
もう誰一人笑ってはいなかった。まあ、強いて言えば私だけ笑ってたかも。
にしてもやっぱり嫌味しか言えない子は駄目ね。まるで張り合いがない。
瞬きをした瞼の裏に浮かぶのは楽し気に声を弾ませ、きらきらと輝くアクアマリンの瞳。
そこまで浮かんで思考が止まる。同時に足もピタリと動きをやめた。
口元に手を触れれば口角が上を向いていた。
『笑ってる....？』
ブレーカーの落ちた瞬間のように脳が黒く深く落ちる。
自分の行動がまるで理解できない。
可笑しい、こんなことで笑えと教えられたことはない。
ましてや誰かを思い浮かべて求めるなんてあってはならない。
こんなの知らない。
台本にも、譜面にもこんなものは載っていない。
私は役を続けなきゃいけない、いや、それは終わった話で、もう要らなくて
じゃあ私は誰だ？この感情はなんだ？
駄目だ。
分からない。
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そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 1から読んだら色々ボロが出てくるから読まなくて大丈夫です！笑笑ほんとに全ての内容を忘れたあたりで読み返すことをおすすめします！ (2022年7月8日 10時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 続編読みました！いいですね、良いですね！少し時間がなく一から読み直されないのが悔やまれますが、いつか読み直したいと思ってます！ (2022年7月6日 13時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読み過ぎですｗｗｗｗ何回読んでも変わらないですからｗ続編楽しみにしててくださいｗ (2022年7月2日 13時) (レス) id: 212d629fae (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 50ページの最後が凄く気になりすぎてとりあえず200話だけ2回読みました。ありがとうございます。もう一度1から読んできます！！ (2022年7月2日 12時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読んでいただいてありがとうございます！そしてお疲れ様です！これからも更新頑張りますのでまた見に来てください！！ (2022年6月24日 8時) (レス) @page45 id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年4月29日 23時
