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ゆっくりと伏せていた瞳を上へ持ち上げる。
感情の見えない深い色の双眸が私をじっと見下ろしていた。
kn「誰かと思えば君ね」
『はい、きんとき様にご挨拶申し上げます。』
スカートを摘み片足を下げて礼をする。
kn「で、君からの弁明は何かある？」
『いえ。特には。』
ピクッと眉を顰めるきんとき様。
頬に付いた血を手の甲で拭いながらつまらなさそうに転がる死体に一瞬目を向けたがすぐに私の方へ戻す。
kn「じゃあ同じようになってもいいってこと？」
『私はただ食器を戻していただけですので
同じようにされる理由があるのでしたらご説明頂けますと幸いです』
kn「ｯﾌ...自分はあくまでコレとは無関係ってことか」
『左様でございます。』
剣で死体を指し示す方へ倣ってそちらを向き首を振った。
kn「人が死んだのに随分と冷静なんだね
こういう経験したことあるの？」
にこっと微笑を浮かべるきんとき様。
白い肌に張り付けられた笑みは彼の美しさをより際立たせた。
思わず生唾を飲み込んでお返しと言わんばかりの微笑を返す。
『まさか....こんな経験二度としたくありません』
口元を隠す手が鉄臭い。
小首をかしげて彼を見る。
どうせ彼には全部お見通しなのだ。だから彼もこんなにもあからさまな噓を吐く私を殺さない。
分かっているからこそこの無駄ともいえる虚構を楽しんでいるのだ。
この嘘から手を入れて割いて、本当の私を暴きたくてしょうがないんだ。
kn「今日はその言葉信じてあげる。次はないよ。」
目を細めて静かに一言添えた彼は私の横を通り過ぎようとする。
窓際に一歩引いて道を開ける。そして頭を下げた。
『はい、心得ました。寛大な御心に感謝いたします。
ありがとうございました。
＿＿＿＿＿＿＿“偶々”通りかかってくださって』
すれ違いざま小さく呟いた。
一瞬足を止めたきんとき様だったが、すぐにまた歩き出す。
kn「必ずその胡散臭い笑顔剥がしてあげるから...」
その言葉を背中に受けた。
胡散臭いも何もこれがデフォルトなんだよなぁ...
顔を上げるとバタバタと忙しなく人々が行きかっている。
あの死体はもうなくて、深紅の血だまりだけがカーペットを染め上げていた。
鉄臭さに顔が歪んだ。
一度閉じた瞼が映したのは焼け焦げた地面と真っ黒な己の手。
再び目を開けると日の光がカップに反射して眩しかった。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
