フウセンカズラ【ワールドトリガー】 (ページ8)

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6.美味しいページ8

「おふくろ何やってんだよ」

「彼女さんじゃないの？」

「いやちげーよ」

影浦くんとお母さんが何やら話し込んでいる間に

「なんだ？」

お父さん登場。あー、不器用な感じが影浦くんぽいかも。

「たんと食え」

「私を太らせるつもり？」

影浦くんがお好み焼きを焼いてくれた。

「腹減ってねぇならおれが食う」

「お腹ぺこぺこだよ」

箸を割ってひと口頬張る。

「…………美味しい…」

意識せずに自然とそう思った。

「だろ？」

なんだか嬉しそう。

「おい…くすぐってぇよ…」

「くすぐったい？」

「カゲのサイドエフェクトはね、感情受信体質っていって、自分に向けられてる感情が肌に刺さってくるんだよ。」

刺さる…なんだか痛そう…

「……私…他人が作った料理食べるの久しぶりだから…なんか…なんだろう…暖かみを感じるのかな…」

「……………だから、くすぐってぇって！」

私は今影浦くんに純粋に感謝している。

「今日はいろいろありがとう、影浦くん。」

「……言われなくても分かってんよ」

いい人だよ、影浦くんは

「ねぇ、桐山さん、カゲが怖くないの？」

「怖い？影浦くんはすごく優しいよ？」

その瞬間に影浦くんが真っ赤になった。

「だはははは！良かったなぁカゲ！」

仁礼さんは大ウケ。何が面白かったのやら。

「ご馳走様でした。」

お金を置いていこうとすると

「いらん」

「え、それは流石に」

「俺の奢りだ。」

この男どこまでも横暴だな…

と、思った瞬間に眉がピクリと動いた。

「いいの？」

「……ま、まあ…」

急に遠慮がちになる。

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

「気をつけて帰れよ」

やれやれ、長い一日だった。

でも、明日からは少なくとも退屈だけはしなさそうだ。