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クソガキ 3 ページ5

「ねぇ…紫苑さん…」

「なに?」

「今日おれがここであんたに勝てたら…おれを名前で呼んで?」

バカを言うのは休み休みにしろ。

「でも太刀川さんは勝てないよ?おれのサイドエフェクトがそう言ってるもん。」

「へぇ…未来予知のサイドエフェクトか…面白い…おまえの予知を覆したくなった…」

久々に楽しめる気がする。

私は紫雲(黒トリガー)を起動した。

「おいで。遊んであげる。」

メガネは既に外し、今の私は物語に出てくる死神だ。

さて、迅は遠征部隊をトリオン切れで撤退させるつもりらしいが…

「無理だよ。クソガキのやつ、マジになってる。馬鹿ねぇ、感情に任せて動くなんて。」

「そりゃ太刀川さん、あやめさんのことが好きだもん。」

『好き』ねぇ…

「分からないわ、そういうの。」

「まあいいや。分断してくるからあやめさんはこっちね。」

「ん。」

「嵐山たちは三輪隊を何とかしてもらえるか?」

「了解だ。上手くやれよ、迅。」

「そっちもな。」

嵐山隊と別れて私と迅は遠征部隊と再び向き合った。

「どうしたクソガキ?あんたの力はこんなもの?」

私の仕事はクソガキを煽り続けること。これがまた面白くて…

「玉狛に向かおう」

しかし風間くんのこの一言で空気はガラリと変わってしまった。

「やれやれ、やっぱりこうなるか。」

「いいじゃん、べつに。」

迅は風刃を起動し菊地原の首を飛ばした。

私は

「………おいでよ、ここまで」

自分の姿を煙にまいて消した。風間隊もカメレオンを使ったし、これは乱戦の予感だ。

「………なるほど、ここまで紫苑さんが大人しくしてたのは手の内を隠すためだったのか」

クソガキは迅に刃を向けたが

「っと…」

「あんたの相手は私よ?」

私の鎌で止められた。

風間隊の奇襲を迅は難なく交わす。

「紫苑さん、目隠しして」

「いいよ。」

クソガキと風間隊の二人は警戒したが、私が目隠ししたのは

「!?……太刀川、狙撃手の目が封じられた。」

「ひぇー、黒トリガー強すぎだろ」

「チクチクと邪魔ばかりしてくるからね。」

遠征部隊の目には焦りが見える。それでも迅を追い詰めたのはやはりさすがだ。

やるじゃんクソガキ。

でもここでやられる迅じゃないし、ここでやらせる私でもない。

「……しまった!!…霧か!?」

迅の姿も煙にまいて消したので、見えるのは濃霧のみ。

「珍しく熱くなりすぎたね。太刀川さん。」

迅のトドメが決まった。

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作者名:姫蘭華 | 作成日時:2019年12月31日 23時

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