クソガキ 2 ページ4
「ごめんねー、あやめさん。急に呼び出して。」
「怒ってないからそんなこわばんないでよ。」
むしろ本部から逃げ出す口実ができて助かった。
「で、何の用なの?迅」
「うん、単刀直入に言うとね………」
私はアイスコーヒーの氷をカラカラと回した。
「おれの味方について、遠征部隊と戦ってほしい。」
「………へぇ…………いいよ」
「お願い、一生のお願いだから!」
「だから、いいよって」
迅はすごく驚いていた。
「まさか一発でOKしてくれるなんて…」
「読み逃したの?」
「いや、限りなく可能性が低かったから…」
私とあいつは一度も手合わせしたことがない。
「一度あのクソガキを叩きの目してやりたいと思ってたんだよ。」
「あ…そういう感じ…」
いいねぇ…久々にワクワクしてきた…
私は電柱の上から待っていた。
あいつらが来るのを。
そしてあいつらが来て、迅と何か話している間に
「…………嵐山隊か……」
援軍の存在を確認した。
「おれ一人だけならね。」
この言葉を合図に嵐山隊が登場。いいねぇ、その顔。風間くんが特に最高。
「それが嵐山隊だけじゃないんだよね〜」
ああ、早く来いってこと?
「……久しぶりね…『クソガキ』」
いいねぇその顔。その表情。面白すぎる。
「………へぇ…迅の…近界民の味方につくのか?」
「違う」
私はクソガキの格子状の目を見つめた。
「あんたと手合わせしにきた。この際だし全力でかかってきな。」
遠征部隊にとってはこれ以上ない煽り文句だろう。
隊務規定なんて知らない。
人生は一度きり
楽しく生きた者が勝つ。
力のある者が覇者となる。
教えてあげるよ。
絶望を。
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作者名:姫蘭華 | 作成日時:2019年12月31日 23時