甘く、苦く (ページ11)

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orange ページ11

私には好きな人がいる

ここの大学の4回生の丸山隆平先輩

私は1回生だから3つ上で、接点はサークルが同じな事くらいだけど

丸山「あ、Aちゃーん！」

学校で会うと必ず声を掛けてくれる

脈アリかな？って思うじゃん？

けどまあ実際そんな訳なくて丸山先輩はどこの誰にでもすぐ話しかけるし仲良くなるから、私もそのうちの1人なだけ

だと思ってたんだけど

丸山「今日何限まで？終わったら一緒にこの前言うてたお店行かへん？」

目の前でそう言った先輩はいつになく優しい顔をしてるから勘違いしそう。

「次で終わりです！行きたいです！」

丸山「あ、ほんま？ほんならここで待ってる！」

丸山先輩が待っててくれるの？やばくない？次の授業がんばろ！

なんて丸山先輩とわかれたあとの私は浮かれに浮かれてた

なのに、

まあ女子からも男子からも人気な丸山先輩はわたしが戻ってきた頃には人に囲まれてて、

丸山「ごめんな～、今日は無理やねん！」

なんて声が聞こえて、嬉しい反面わたしなんかに時間使っていいのかななんてネガティブな考えがぐるぐる回って中々丸山先輩に近付けない

丸山「また誘ってなあ！」

それからも中々近付けなくてただぼーっとしてると丸山先輩のそんな声が聞こえてやっと丸山先輩の元に行けると思ったのに

囲んでた人が居なくなっても丸山先輩の近くにぽつんと立ってる女の人が居て、

ザワザワする胸を抑えて気配を消して2人を見る

丸山「ごめんなあ、今日は無理なんよ。いつもありがとうね。」

丸山先輩のその言葉に小さく頷いて女の人は走ってった

なに、今の

彼女？

あんな綺麗な人だったら勝てっこないしその前にまず彼女なら、失恋決定じゃん

なんて思ってまだ動けずに突っ立ってると

丸山「あ！Aちゃんお疲れ～！」

って私に気づいて走ってくる丸山先輩

本当に2人で遊びに行ってもいいのかな

行こっか！って笑顔で言ってくる先輩を見てきゅんとしつつも、さっきの2人のやり取りを思い出して不安になった