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ダージリン* (nkm→kinsm) ページ29

side sm

nkm「それ1口ちょーだい?」

kin「んー」

何も考えずストローをなかむに向けて、同じく何も考えずそれを咥えるなかむ。
狡い。
俺はそんなこと言える立場じゃないのに、どうしてもなかむに嫉妬する。
素直になれない自分が嫌いで仕方ない。

kin「あ」

nkm「ん?」

kin「んや、なんでもない」

彼は気にしない振りをしてなかむが離したストローを自分の口元に持っていく。
だが、1度意識してしまうとそれを気にしないのは不可能で。
無意識に泳ぐ目線に、俺は入らない。

sm「なかむ、俺のもいる?」

nkm「え?!何怖いんだけど...お前いつもくれって言ってもくれないじゃん...」

sm「機嫌がいいの。いらねーならさっと言えや」

nkm「いるいる貰っときますよ貰えるもんは」

と、カップの蓋を外してカップに直接口付ける。
きんときの時はしなかったよなぁ?
なんで俺のはするんだよ。
なんて、答えは聞かなくてもわかってる。

nkm「ありがとね」

ムカつくほど愛想がいい。
引くほど愛想の悪い俺なんか、引き合いにすら出されない。

kin「えーじゃあ俺にもちょーだいよ」

sm「え...1口な」

kin「あんがと」

俺からカップを受け取り、それに普通に口付ける。
...?!
は?!ちょっ、な、え?は?今っ...
脳のリソースが足りねぇ。
何が起こった今。

kin「これ美味いわ。今度これにしようかな...」

nkm「次来る時まで覚えてられんのかよw」

kin「無理ですけど?」

なんであんなに余裕そうに会話できるんだよ...
なんて、理由は明確か...
俺はきんときのただの友達だから、こんなんじゃ動じない。
そりゃそうか。
返ってきたカップを口に運んで傾ける。
下に残って尾を引く様な甘さと苦さ。
その中で1番最後まで残る酸味。
飲み物1杯でここまで胸が痛むのは、なんでかな。

kin「スマイル?」

sm「ん?」

kin「ん?じゃねぇよw時間来たから行くぞ」

sm「あぁ...」

同じペースで隣を歩いてくれるのも、気にかけてくれるところも、優しい声も。
俺だけのものじゃない。

sm「...」

もう後味も消えた筈の口に触れる。
ダージリンの香りも、苦味も、酸味も全部、吹き飛んでしまうくらい甘い。

kin「...きだなぁ...」

小声のそれは、何故か俺を向いていた。

ソーサー* (kir→nkm→kin)→←#名前(br×kir)



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作者名:つらら、みやび x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月9日 22時

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