Episode103 ページ4
Aside
太刀川さんは、こういうときだけ考えが鋭い。この太刀川隊を集めたのは太刀川さんで、彼の目が正しかったから今の順位があるのだと思う。私はもし隊員を加えるならスナイパーがいいと以前から思っていたのだが、勿論デメリットはある。太刀川隊は一人ひとりが落とされにくく、前線で点を取りまくるスタイルで、ここにスナイパーが加われば、援護射撃で点はとりやすくなるが、一人だけ前線から離れている以上はスナイパーがうちの隊の『浮いた駒』になる。けれど、今まで私と太刀川さんが突っ走って出水が援護してくれていたが、その私達と出水の間の距離を埋めてくれる人物がいれば……
「うちの隊、頭弱いしな……」
「そこは言うなよ」
私が呟くと、その大要因である太刀川さんからつっこみが入った。
「まー、おれはありだと思いますよ」
「わたしもかなー。みんなが戦いやすいようにして大丈夫だよ」
遠征に一番行かなきゃならないのは、私。だけど私には、個人で遠征に行ける力がまだ無い。太刀川隊の亜桜として、遠征に行く道しかない。そしてみんなはそれぞれ思いがありながらも、私の目標を一緒に追ってくれる仲間。仲間は一人でも多いほうが、心強い。
「……私も、京介なら、文句なしです」
そして私達太刀川隊は、烏丸京介をスカウトするということで意見が一致した。
.
数ヶ月後ーー
「Ａ級ランク戦開幕です！」
実況を務めるオペレーターその声が、ランク戦ブースに響いていた。
「……、そしてＡ級三位太刀川隊！注目したいのは、」
私達は転送待ちで、真っ黒な隊服に見を包んでいる。
「緊張してる？」
「“A”先輩。まあ……俺ずっとソロだったんで」
「初の団体戦がＡ級かー。まあ先輩が援護してやるよ」
太刀川隊に、弧月が一本、増えた。
「ここで初お披露目となる太刀川隊の新メンバー、烏丸隊員……！」
京介を太刀川隊にスカウトして以降、噂として京介の加入は流れていたが、実際に隊服を着せたのはこれが初めてだった。Ｂ級から上がってすぐの隊員は研究されれば簡単に落とされるので、それを防ぐために明言はしなかったのである。対戦相手のチームが、自身の部屋で出し抜かれたような顔をしているのがサイドエフェクトで視えて、私は思わずほくそ笑んだ。
「そろそろ転送だ。出水、A、京介、準備できてるか？」
「当然」
「今日は絶好調」
「サポート頼みます」
「よし。国近、しっかり頼むぞ」
「了解〜〜」
この日、太刀川隊は五人になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
