Episode121 ページ22
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「ちょっと陽介、亜桜ちゃんの味覚どーなってんのさ」
「おーおかえり」
帰ってきた宇佐美が、ジュースと軽食をテーブルに置いて席に座る。後ろから亜桜が続いて、亜桜の置いたものに俺も奈良坂も眉間にシワを寄せた。
「何で別に変じゃないじゃん」
「栞、これサイドエフェクトだから気にすんな」
「えええ味覚が変なサイドエフェクト！？」
「まー五感がちょっと変なんだよ」
亜桜が反論し、陽介が弁解する。宇佐美も出水も揃って変と連呼するから、亜桜が「変変言うな！」と二人を叱った。そういえば亜桜のサイドエフェクトについては詳しく訊いた記憶がないが、何となくの概要は陽介から訊いたことがあった。五感の中に特別鋭い感覚と特別鈍い感覚が存在する……くらいのざっくりとした話だったが。どうやらこの様子を見るに、味覚が鈍いようだな。
「これどれが主食なんだ」
「パンケーキ。おかずがドーナツでデザートかプリン、飲み物がいちごミルク」
「気持ち悪くなりそうだな……」
「なんで！」
俺の問に対して亜桜が答えて、奈良坂が青ざめた顔で呟いた。
―――出水side―――
宇佐美はAのサイドエフェクトのことを知らなかったらしい。三輪も奈良坂もランク戦で使う目や耳以外については詳しく知らなかったようで、変な味覚にも慣れたおれと米屋以外のリアクションは見ていて面白かった。
「こいつはさ、視覚と聴覚と嗅覚がよくて、味覚と触覚がやばいんだよ」
米屋がそう説明して、Aはパンケーキを頬張りながらこくりと頷いた。
「触覚？」
「そー、火傷したのに気づかないとかな」
宇佐美の疑問に対して米屋がそう答えた。火傷の件についてはおれも初耳だったが。「でもそれランク戦やばくない？」と宇佐美が再び訊いて、今度は米屋が「どういうこと？」と宇佐美に質問した。
「怪我したことに気づかなかったら、トリオン漏出に気づけないじゃん」
「あー、それならトリオン体の設定いじってるから大丈夫」
「なるほどねえ」
おれが答えて、宇佐美は納得した。当のA本人は発言する間も惜しんでドーナツにかぶりついている。Aのトリオン体は普通の人より触覚のレベルを上げていて、それでようやくおれらと同じく、痛みはないが斬られたことに気づくくらいの感覚……になった。
「でもそれちょっと怖いね」
宇佐美がジュースのコップに両手を添えた。おれも米屋も三輪も奈良坂も、そしてプリンを口に運んだAも、宇佐美のことを見つめる。
「"向こう"で生身になっちゃうようなことがあったら、怪我しても気づかないかも」
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亜桜(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます(；▽；)更新頑張ります！ (2019年1月21日 19時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 続きが気になりすぎる！！！面白すぎてヤバイです！！更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2019年1月20日 21時) (レス) id: 076cc2dab4 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - twice MOMO，loveさん» 長編にも関わらず全て読んでいただけて本当に嬉しいです(；ω；) できる限り定期的に更新していきたいと思います！ (2018年12月11日 11時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
twice MOMO,love - とても面白いですっ！ いっきにすべてのお話し読みおわってしまいましたッ！ これからも頑張ってください！( v^-゜)♪更新お待ちしています！ 長文ひつれいしました (2018年12月10日 17時) (レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - アヤカさん» ありがとうございます！！( ；∀；)がんばります！！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年10月8日 12時
