Episode094 ページ45
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「犬飼先輩って、志望校どこなんですか」
受験を待たずにボーダーに入る人がいる中で、この人は受験を終えてから入隊すると言っていた。つまりある程度受験のことを考えているということ。
「あそこだよほら、ボーダー系列の進学校のほう」
「は、六頴館？」
六頴館高校と言えば、風間さんや二宮さんなどの賢い人ばかりいるイメージだ。そこに行こうとしているということは、もしかしてこの人も賢いのか……？
「亜桜ちゃん今意外って思ったでしょ」
「う、」
失礼だなー、とその人は笑った。いつものらりくらりとしていて、掴み難い人だと思う。
「まあ、別にそんなに賢いわけじゃないけどね」
同じ志望校の人たちより少し下だ、とその人は言う。それにしても私より賢いことは明らかであって、何だか複雑な気持ちになった。
「受験って三月……？ですよね」
今の時期なら、やはりみんな焦るのだろうか。うちの隊の柚宇さんは三門第一高校にボーダー推薦が決まっているので、あまり緊張感は感じないが。
「そうだね、もうちょっとだ」
私はその人の顔を見上げた。そう、一年は早い。ボーダーに入ってから、本当に時間が過ぎるのが早い。あいつがいなくなってからボーダーに入るまで、あんなに長く感じた一年という時間が、今ではこんなに一瞬に感じる。
「先輩の次は私が受験か……」
「志望校どこにするの？」
「そんなのまだ決めてませんよ」
ボーダー以外何もやりたいことはないし、将来の夢もない。そうなると必然的にボーダー系列の学校に入って、ボーダー優先の生活を送ることが私の進路になるのか。
「えーじゃあ俺と同じとこ受けようよ」
「は、いや絶対無理です」
流石に六頴館は頑張っても無理だ。私の頭脳では。
「おれ来年も亜桜ちゃんと同じ学校がいいなあ？」
「先輩が志望校下げたらどうですか？」
「あ、亜桜ちゃんてもしかして馬鹿？」
「頭良かったら六頴館受けますよね！」
反論できなかったので、そう言い返すしかなかった。犬飼先輩はお腹を抱えて笑い出す。何がそんなに面白のか。というか、本当に面白くて笑っているのどうかすら、この人に関しては分からない。
「あはは、まあ学校で会えなくなっても代わりにボーダーで会えるようになるしね」
「ボーダーでは私の方が先輩ですからね」
そうだね、と今度は柔らかく笑う。ああ、掴めない。
「Ａ級なんですからね」
「入ったらそのスゴさが分かるんだろうなー」
ランク戦をする犬飼先輩を想像すると、心底性格が悪そうで嫌な予感がした。
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亜桜(プロフ) - 深未さん» つけてないですよ〜！ (2019年12月18日 8時) (
レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
深未 - 夢主ちゃんバックワームつけてないの？笑 (2019年12月18日 0時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 霧月さん» そんなに嬉しいお言葉を頂けてうれしいです(T^T)続編更新致しましたのでそちらもよろしくお願いします！ (2018年10月8日 12時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃんの性格も大好きです!!更新楽しみにしてます(≧∇≦*)大変だと思いますが、頑張ってください！ (2018年10月8日 0時) (レス) id: 77a041f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - R.Oさん» ありがとうございます(T ^ T)がんばります！！ (2018年8月22日 16時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2018年6月15日 17時
