モノクロノイズ。２【ワートリ】

Episode050 時計の針 ページ1

Aside


太刀川隊に居ても見劣りしないレベルになるためには、万能手になるしかない。そう決意した私は、本職の射手である出水に弾丸に関するアドバイスを受けることになった。出水は両手にトリオンキューブを出して、私の方を見つめた。出水がまず右手の立方体を前に出して口を開く。


「アステロイドは、特殊な効果はないけど威力重視だからお前の戦い方に合う」


出水は立方体の角の方を小さな立方体に分解して、アステロイドを使った。隊室だから、宙に浮かべて小さく破裂させただけ。


「敵のシールドに集中攻撃して壊せるだろーし、そこを弧月で突くって戦術も使える」


そして出水は右手の立方体をしまって、今度は左手の立方体を前に差し出した。


「次はメテオラ、直接攻撃にも使えるし、地面に仕掛けて敵の足場崩してから弧月で殺るとかもいける」


アステロイドの時と同じように、出水は立方体の角を小さな立方体に分解して、宙に浮かべて炸裂させる。、


「何より、お前の性格なら絶対コレが好きだ」
「やっぱり？」


射手の戦いを見るたびに、メテオラの派手な爆撃に憧れを抱いていた。どうやらそれが出水にバレていたようだ。見透かされていたようで妙な気分……。


「よ〜し亜桜ちゃん、セットトリガー考えてみる？」


太刀川さんとの対戦が終わったのか、柚宇さんがこちらに歩いてきて、パソコンの前に座った。(太刀川さんが横たわってるから、多分ボロ負けしたのだろう)。


「まずはメイン、右手のトリガーね」


柚宇さんが今の私のセットトリガーのデータを表示して、それをカチッとクリックした。


「まず弧月は確定ですね。あとはアステロイド、メテオラ、シールド、かな。サブは……」


ふむふむ、と柚宇さんはデータを書き換えて行く。「仮のデータだから気にしないでね」と付け足された。サブも、同じように射手用トリガーを加えるだけで良さそうだけど、枠が足りない……。あまり隠密行動等は柄ではない上に、もう最近は全然使っていないのでバッグワームを外してもいいか。


「サブはアステロイド、メテオラ、シールド、グラスホッパーで」


これからの基本スタイルは右手に弧月、左手は弾丸で行こうと思っているので、このセットが妥当だろう。するから。三枠目のシールドは、弧月で攻撃しつつ左手は盾でガードするために使う。四枠目も起動型の私には必須だ。


「まあ応援してやるけど、あんまり射手甘く見んなよ」
「上から目線むかつく」


腰にかかった弧月の鞘を、ぎゅっと握った。

Episode051→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す